低脂肪牛乳を飲むと不妊症になる確率が高くなるって聞いたけど本当?
低脂肪牛乳と低脂肪乳って同じ物なの?
こんな質問に答えます。
こんにちは、ユキフルです。
スーパーの牛乳コーナーに行くと、低脂肪牛乳の他に低脂肪乳もありますよね。
どちらも普通の牛に比べて低カロリーなので、ダイエット中に買う人は多いのではないでしょうか。
でも似たような名前なので、どっちを買おうか迷いますよね。
そもそもこの2つ違いはあるのか・・・気になります。
また、低脂肪牛乳は危険と言った不穏な噂があります。
今回は低脂肪牛乳と低脂肪乳の違いを解説しつつ、低脂肪牛乳がなぜ危険と言われているのかについて紹介しますね。
低脂肪牛乳と低脂肪乳の違い
まずは、低脂肪牛乳と低脂肪乳の違いについて解説します。
低脂肪牛乳は、生乳を100%使用しているものです。
※原材料が生乳100%のものだけを『牛乳』と表記できる。
一方、低脂肪乳は、生乳に脱脂粉乳やバターなどを加えた『加工乳』と呼ばれる種類になります。
※原材料が生乳100%ではないので『牛乳』と表記できない。
低脂肪牛乳 | 低脂肪乳 |
---|---|
乳脂肪分0.5%以上1.5%以下 | 【食品表示法の食品表示基準に準ずる場合】 乳脂肪分0.5%以上1.5%以下 【相対表示※1として低脂肪と記載する場合】 乳脂肪分1.5%以上2.0%以下 |
※1 相対表示:比較対象食品に比べて、強化された旨の表示、または低減された旨の表示
また、生乳を使った商品は3つに分けることができますが、低脂肪牛乳と低脂肪乳はグループが違います。
以下にまとめてみました。
牛乳パックの種類別名称を見てみてください。
下のようになっているはずです。
低脂肪牛乳➡【種類別名称】低脂肪牛乳
低脂肪乳➡【種類別名称】加工乳
低脂肪牛乳と低脂肪乳は名前が似ているので混同してしまっている人が多くいますが、実は全く違うものということがわかりましたね。
以前は『コーヒー牛乳』『いちご牛乳』などという名前で親しまれてした飲料ですが、現在『牛乳』という文字が消え『コーヒーミルク』『いちごミルク』など名称が変更されています。
名称を変更した理由は、生乳100%ではないため牛乳と表記してはいけないからです。
【低脂肪牛乳はデメリットだらけで危険!?】噂の真相に迫る
では、低脂肪牛乳と低脂肪乳が違うことがわかったところで、続いて『低脂肪牛乳は危険』という噂について解説します。
私が知っている噂は以下のようなものです。
- 不妊症になる確率が高くなる可能性がある
- 心筋梗塞を招く
- 薬漬けの牛から搾られているから体に悪い
- 骨粗しょう症になる
❶は低脂肪牛乳の噂ですが、それ以外は牛乳全般の噂です。
それぞれ噂の真相を見ていきましょう。
1.不妊症になる確率が高くなる可能性がある?
低脂肪牛乳を飲むと不妊症になる可能性が高くなるという噂ですが、これは正しそうです。
ハーバード大学のジョージ・チャヴァロ准教授らの研究を紹介します。
ハーバード大学のジョージ・チャヴァロ准教授らは、約18000人を8年間追跡調査したアメリカの看護師健康調査の結果から女性の妊娠の可能性を高める食生活を導き出しました。
その中には乳製品についても紹介しており、次のように指摘しています。
- 低脂肪牛乳を1日3本飲む女性は、排卵回数が少なく、不妊症になる確率が85%高い
- 高脂肪の乳製品を1日に最低1回摂取する女性は、高脂肪の乳製品を全く摂取しない女性よりも不妊症になる確率が25%以上低い
でも、どうして?
低脂肪牛乳で不妊症になる確率が上がる理由は、脂肪分を取り除くプロセスに問題があると考えられています。
脂肪分を取り除く過程で、脂肪分に存在するホルモン(エストロゲン、プロゲステロンなど)が除去され、後に残った牛乳の水分にアンドロゲンやインスリン成長因子1が存在し、その結果、低脂肪牛乳を飲むことで男性ホルモンが多くなり不妊症になる確率が高くなると考えられます。
妊娠を考えている人は、低脂肪牛乳は避けた方が良さそうですね。
無脂肪牛乳も同様に避けた方が良いでしょう。
逆に、高脂肪の乳製品は不妊症になる確率を下げる可能性があるので、無調整牛乳など高脂肪の乳製品を取ると良いかもしれません。
無調整牛乳とは、生乳を加熱殺菌しただけの一番よく飲む牛乳です。
2.心筋梗塞を招く
牛乳を飲むと心筋梗塞を招くというという噂ですが、これは間違っています。
日本のJACCという機関の研究では、40から79歳に日本人男女約11万人を対象とした調査を行った結果、以下のことがわかりました。
カルシウムを乳製品から多く摂っているグループは心筋梗塞や脳卒中になるリスクが低い
牛乳は心筋梗塞を招くのではなく、反対に牛乳を飲むことで心筋梗塞のリスクが下がることが示されたのです。
これは、カルシウムにはナトリウムの排出を促す作用があるので、ナトリウム排出が血圧低下に作用し、心筋梗塞や脳卒中を予防しているのではないかと考えられています。
ちなみに、心筋梗塞は主に動脈硬化によって発症し、動脈硬化の要因は様々あるのですが、カルシウム不足も要因のひとつです。
カルシウム不足になると、骨から血液中にカルシウムが溶けだして血管壁に付着し血管を硬くするため動脈硬化を招くためです。
したがって、カルシウム不足にならないように牛乳を飲む習慣を付けることは、動脈硬化の予防に大切ということですね。
3.薬漬けの牛から搾られているから体に悪い
薬漬けの牛から搾られているから体に悪いという噂ですが、これも間違いです。
牛に薬を使うことはありますが、病気になった時にだけ獣医さんから薬を貰って適切に治療しています。
ですので、牛を薬漬けにすることはありません。
また、抗生物質をエサに混ぜることも日本ではありえません。
というのは、牛に使う抗生物質については『乳等省令』という法律によって厳しく規制されており、飼料への添加は禁止されているからです。
牛も病気になるので治療のために抗生物質を使用することはありますが、抗生物質が残留している期間は決して出荷しないように定められています。
さらに、酪農家から出荷されるときと、工場で受け取るときに毎回検査を受けます。
特に抗生物質のチェックは厳しいようで、万が一抗生物質を検出すると集められた乳牛は全部廃棄されるようです。
つまり、私たちの食卓には徹底的に検査された安心安全な牛乳しか届かないということですね。
余談ですが、牛が食べるトウモロコシが遺伝子組み換えなので、それを食べて育つ牛の乳牛は健康に悪いという噂もあります。
アメリカから輸入されるトウモロコシは7割が遺伝子組み換えなので遺伝子組み換えの可能性が高そうですが、かりに遺伝子組み換えだとしても遺伝子組み換えによる健康上の問題は現在確認されていません。
というのは、遺伝子組み換え作物の安全性確認は国が科学的に行っており、これまで20年以上、健康に悪影響を与えたと確認された事例は1件も無く、厳しい安全審査を得た商品のみが流通しているからです。
遺伝子組み換えのトウモロコシを食べているからと、牛乳を避けることの方が健康にマイナスだと思います。
4.骨粗しょう症になる
牛乳を飲み過ぎると骨粗しょう症になるという噂ですが、これも間違いです。
『牛乳を飲み過ぎると骨粗しょう症になる』といった研究や論文はありません。
逆に、牛乳をたくさん飲むとカルシウムを効率良く摂取できるので骨粗しょう症の予防に有効であるとった研究論文が世界中にたくさんあります。
日本国内でも、牛乳や乳製品の摂取を増やすと、
- 小児期➡骨量増加に役立つ
- 中高年期の女性➡閉経後の骨量低下を抑える
という検証結果が発表されていますよ。
また、日本人の若年女性を対象とした調査研究では、牛乳のカルシウム吸収率が優れていることも分かっています。
牛乳:40%
小魚:33%
野菜:19%
今日から牛乳飲む習慣つけよっ!
さいごに
低脂肪牛乳と低脂肪乳の違い、そして低脂肪牛乳が危険性についての記事でした。
低脂肪牛乳は不妊症になる確率が高くなる可能性があるので、妊娠を考えている方は避けた方がいいでしょう。
無脂肪牛乳も同様です。
しかし、考えられるデメリットはこの1つだけです。
味があっさりしているので牛乳に比べ美味しくないのもデメリットかもしれません(^^;
低カロリーなのでダイエットに良く、栄養価も普通の牛乳とほとんど変わらないので健康にも良いです。
100mlあたり | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 (糖質) | カルシウム |
---|---|---|---|---|---|
無調整牛乳 (普通の牛乳) | 69kcal | 3.4g | 3.9g | 5.0g | 114mg |
低脂肪牛乳 | 48kcal | 3.4g | 1.5g | 5.1g | 107mg |
無脂肪牛乳 | 34kcal | 3.5g | 0g | 5.1g | 117mg |
妊娠を考えている方以外は、選択肢として考えても良いと思います。
ちなみに、私はプロテインを飲む時に低脂肪牛乳や無脂肪牛乳でよく飲んでいますよ。
スッキリした味になるので気に入っています(^-^)
これからもいい付き合いをしたいと思います。
今回は以上です。
おわり!