春の訪れとともに和菓子屋の店頭に並ぶ柏餅。
その優しい甘さともちもちとした食感は多くの人を魅了しますが、一方で「柏餅は太るのではないか?」という心配を抱く方も少なくないでしょう。
せっかくの美味しい和菓子を、罪悪感なく楽しみたいものです。
この記事では、柏餅が太る原因とされるカロリーや糖質の実態を、他のおやつとのカロリー比較を交えながら詳しく解説します。
また、柏餅のカロリーを消費するための運動量や、そもそもダイエット向きの食品なのかという根本的な問いにもお答えします。
さらに、食べ過ぎると体に悪いのか、夜寝る前に食べると太るのか、そして食べるなら何時までが良いのか、といった具体的な疑問にも向き合います。
朝ごはんとして柏餅を食べるのはどうなのか、柏餅の葉っぱは食べるべきかという素朴な疑問から、太る食べ方と太りにくい食べ方のコツ、そしてダイエット中のおすすめおやつ3選まで、柏餅に関するあらゆる情報を網羅しました。
この記事を読めば、柏餅との上手な付き合い方がきっと見つかるはずです。
- 柏餅が太るとされる具体的な原因
- 他の和菓子や洋菓子とのカロリー・糖質の違い
- ダイエット中でも安心して食べるための工夫や時間帯
- 柏餅に関する素朴な疑問や注意点
柏餅は太る?カロリーや糖質から原因を解説

- 柏餅のカロリー・糖質はどのくらい?
- 他のおやつとのカロリー比較でわかること
- 柏餅で太る原因はあんこと餅の組み合わせ
- 柏餅のカロリーを消費するための運動量
- 食べ過ぎると体に悪い?栄養面の注意点
柏餅のカロリー・糖質はどのくらい?みそあんは?
柏餅を食べる際に最も気になるのが、カロリーと糖質の量だと考えられます。柏餅の数値は、その大きやお店によって異なりますが、一般的な目安を把握しておくことが大切です。
一般的な柏餅のカロK\lor-・糖質
一般的なサイズの柏餅1個(約80g~100g)あたりのカロリーは、およそ160kcal~206kcalの範囲に収まることが多いです。この数値は、ご飯お茶碗に軽く一杯(約100gで156kcal)よりも少し高いくらいのカロリーとなります。
次に糖質ですが、1個あたり約36g~45g含まれています。これは、糖質制限の中でも緩やかなプラン(1日の糖質摂取量を130g程度に設定)において、1食分の目安である40gに匹敵する量です。つまり、柏餅1個で1食分に近い糖質を摂取することになるのです。
中のあんによる違い
柏餅には、こしあん、つぶあん、みそあんなど、いくつかの種類があります。これらのあんの種類によってもカロリーは変動します。
- こしあん: 1個あたり約155kcal~165kcal。皮を取り除いている分、ややカロリーが低い傾向にあります。
- つぶあん: 1個あたり約244kcal(製品による)。皮ごと使用するため食物繊維は豊富ですが、こしあんより高カロリーになる場合があります。
- みそあん: 1個あたり約206kcal(製品による)。甘じょっぱい味わいが特徴ですが、使用される味噌や砂糖の量によってカロリーは変わります。
このように、柏餅は決して低カロリー・低糖質なお菓子ではありません。特に糖質の量には注意が必要で、ダイエット中のおやつとして選ぶ際には、その数値を意識することが求められます。
他のおやつとのカロリー比較でわかること

柏餅のカロリーや糖質が高いことは分かりましたが、他の和菓子や洋菓子と比較すると、どのような立ち位置になるのでしょうか。具体的な数値で比べることで、柏餅の特徴がより明確になります。
和菓子との比較
まず、代表的な和菓子と100gあたりのカロリーを比較してみましょう。
和菓子の種類 | カロリー(100gあたり) | 糖質(100gあたり) |
---|---|---|
柏餅 | 約206kcal | 約45.0g |
桜餅(道明寺) | 約238kcal | 約54.3g |
大福 | 約232kcal | 約50.4g |
草餅 | 約229kcal | 約25.5g |
みたらし団子 | 約197kcal | 約44.9g |
この表からわかるように、柏餅は和菓子の中では特別に高カロリーというわけではありません。桜餅や大福よりは若干低いものの、みたらし団子と同程度のカロ-・糖質を含みます。和菓子は全般的に、米粉やもち米、砂糖を主原料とするため、糖質が高くなる傾向があるのです。
洋菓子との比較
次に、洋菓子と比較してみます。
洋菓子の種類 | カロリー(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
---|---|---|
柏餅 | 約206kcal | 約0.4g |
ショートケーキ | 約308kcal | 約21.2g |
ベイクドチーズケーキ | 約358kcal | 約23.9g |
アップルパイ | 約289kcal | 約14.6g |
シュークリーム | 約224kcal | 約15.4g |
洋菓子と比較すると、柏餅のカロリーは格段に低いことが分かります。この最も大きな違いは「脂質」の量です。洋菓子はバター、生クリーム、卵などをふんだんに使用するため、脂質の割合が非常に高く、結果として総カロリーも高くなります。
一方で柏餅の脂質は0.4g程度と、ほぼ含まれていません。この点から、「ダイエット中に甘いものが食べたくなった時、洋菓子を選ぶよりは和菓子を選ぶ方が賢明」と言われるのです。ただし、前述の通り、糖質の量では柏餅がショートケーキなどを上回る場合もあるため、一概にヘルシーとは言えない点も理解しておく必要があります。
柏餅で太る原因はあんこと餅の組み合わせ
柏餅が太りやすいとされる根本的な原因は、その主原料である「餅」と「あんこ」の組み合わせにあります。この二つの要素が、いかにして体重増加に繋がりやすいのかを詳しく見ていきましょう。
糖質の二重奏
柏餅の皮(餅)は、上新粉(うるち米の粉)から作られています。米が主食であることからも分かるように、上新粉は糖質の塊です。100gあたり約78gが糖質であり、これが柏餅の高い糖質量の一因となっています。
そして、中に包まれているあんこもまた、小豆に大量の砂糖を加えて作られます。砂糖は純粋な糖質であり、あんこの優しい甘さは、この砂糖によって生み出されています。
つまり、柏餅は「糖質(餅)で糖質(あんこ)を包んだお菓子」なのです。糖質は体内でエネルギーとして利用されますが、一度に大量に摂取すると、エネルギーとして消費しきれなかった分が中性脂肪として体内に蓄積されやすくなります。これが、柏餅で太る直接的なメカニズムです。
血糖値の急上昇を招く
糖質を多く含む食品を摂取すると、血液中のブドウ糖濃度、いわゆる血糖値が急激に上昇します。すると、すい臓から血糖値を下げるためのホルモン「インスリン」が大量に分泌されます。
インスリンには、血中の糖を細胞に取り込ませてエネルギーとして利用させる働きのほかに、「余った糖を脂肪として蓄える」という働きも持っています。血糖値が急激に上がるほど、インスリンも過剰に分泌され、脂肪を溜め込みやすい状態になってしまうのです。
柏餅のように、消化吸収の早い糖質が主体の食べ物は、特に血糖値を急上昇させやすい「高GI食品」に分類されます。GI値とは食後の血糖値の上昇度合いを示す指標で、この値が高いほど太りやすいと言われています。脂質が低くヘルシーに見える反面、この血糖値の観点からは注意が必要なお菓子なのです。
柏餅のカロリーを消費するための運動量

柏餅を一つ美味しくいただいた後、「このカロリーを消費するには、どれくらい運動すれば良いのだろう?」と気になる方もいるかもしれません。具体的な運動時間に換算してみることで、柏餅1個のエネルギー量を体感的に理解することができます。
ここでは、一般的な柏餅1個(約165kcal)を消費するために必要な運動時間の目安を、いくつかの活動に分けてご紹介します。
※運動消費カロリーは体重や性別、年齢によって異なります。以下は体重60kgの成人を想定したおおよその目安です。
運動の種類 | 必要な時間(目安) |
---|---|
ウォーキング(普通の速さ) | 約50~60分 |
ジョギング | 約25~30分 |
自転車(ゆっくり) | 約40~45分 |
階段の上り下り | 約18~20分 |
掃除機がけ | 約45~50分 |
ストレッチ | 約60~70分 |
このように見ると、決して短い時間で消費できるカロリーではないことが分かります。特に、気軽にできるウォーキングでは1時間近くかかる計算です。もちろん、これはあくまで柏餅1個分のカロリーであり、もし複数個食べてしまえば、その分だけ必要な運動量も倍増します。
「おやつだから」と軽く考えてしまいがちですが、そのエネルギーを消費するには相応の身体活動が求められるのです。もちろん、運動はカロリー消費だけでなく、健康維持やストレス解消にも繋がるため積極的に行いたいものですが、食べ過ぎてしまった分を取り戻すのは容易ではありません。
この事実を知っておくことで、「もう一つ食べたい」という気持ちにブレーキをかけることができるかもしれません。食べる前に少し立ち止まり、この運動量を思い出すことが、賢い選択に繋がるのです。
食べ過ぎると体に悪い?栄養面の注意点
柏餅は美味しいお菓子ですが、どのような食べ物でも「食べ過ぎ」は体に良くありません。特に柏餅のように糖質に偏った食品の場合、いくつかの健康上のリスクや注意点が考えられます。
血糖値の乱高下による体への負担
前述の通り、柏餅は血糖値を急激に上昇させやすい食品です。これを食べ過ぎると、血糖値の急上昇と、その後のインスリンの大量分泌による急降下、いわゆる「血糖値スパイク」を引き起こしやすくなります。
この血糖値の乱高下は、血管にダメージを与え、長期的には糖尿病や動脈硬化のリスクを高める可能性があります。また、血糖値が急降下すると、強い眠気やだるさ、集中力の低下を感じることがあります。食後に眠くなることが多い方は、糖質の摂りすぎが原因かもしれません。
中性脂肪の増加と肥満
消費しきれなかった糖質は、肝臓で中性脂肪に変換され、体脂肪として蓄積されます。柏餅を習慣的に食べ過ぎることは、肥満に直結するだけでなく、血液中の中性脂肪値を上昇させる原因にもなります。高い中性脂肪値は、脂肪肝や脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高めるため注意が必要です。
栄養の偏り
柏餅に含まれる栄養素は、そのほとんどがエネルギー源となる炭水化物(糖質)です。ビタミンやミネラル、タンパク質といった、体の調子を整えたり、筋肉や血液の材料となったりする栄養素はほとんど含まれていません。
もし、お腹が空いたからといって柏餅を食事代わりにしたり、頻繁に食べ過ぎたりすると、必要な栄養素が不足し、栄養バランスが大きく崩れてしまいます。その結果、肌荒れや便秘、疲労感など、様々な体の不調に繋がる可能性も考えられます。
柏餅はあくまで「嗜好品」として、食事でしっかり栄養を摂った上で、適量を楽しむのが健康的な付き合い方と言えます。
柏餅で太るのを防ぐ!ダイエット中の食べ方

- 柏餅はダイエット向き?栄養素から解説
- 知っておきたい太る食べ方・太りにくい食べ方
- 夜寝る前に食べると太る?何時までがいい?
- 朝ごはんが柏餅だと太るのか?
- 素朴な疑問!柏餅の葉っぱは食べる?
- かしわ餅人気おすすめ3選
- ダイエット中のおすすめおやつ3選
- 柏餅が太るかは食べ方次第で変わる
柏餅はダイエット向き?栄養素から解説
「結局のところ、柏餅はダイエットに向いているの?不向きなの?」という問いに対する答えは、「洋菓子よりは良いが、積極的に推奨はできない。ただし、食べ方次第で味方にもなる」というのが実情です。その理由を、栄養素の観点から多角的に解説します。
メリット:脂質が極端に低い
最大のメリットは、何度か触れているように「脂質の低さ」です。ダイエットの基本は「摂取カロリー<消費カロリー」であり、三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の中で最もカロリーが高いのが脂質(1gあたり9kcal)です。バターやクリームを多用する洋菓子に比べ、脂質をほとんど含まない柏餅は、同じ満足感を得るならカロリーを抑えやすい選択肢となります。
メリット:あんこに含まれる嬉しい成分
柏餅の「あんこ」には、ダイエット中に嬉しい栄養素も含まれています。
- サポニン: 小豆の皮に含まれるポリフェノールの一種。血中コレステロールの増加を抑制したり、中性脂肪を減らしたりする働きが期待されています。
- ビタミンB1: 糖質の代謝を助ける働きがあります。糖質をエネルギーに変換する際に不可欠な栄養素で、不足すると疲れやすくなります。糖質の多い餅と一緒に摂ることは、理にかなっていると言えます。
- 食物繊維: 特に「つぶあん」には、小豆の皮由来の不溶性食物繊維が豊富です。便のかさを増やし、腸の動きを活発にすることで、便秘解消をサポートします。
デメリット:糖質の高さとGI値
一方で、最大のデメリットはやはり「糖質の高さ」です。餅と砂糖というかたまりであるため、血糖値を急上昇させやすく、脂肪として蓄積されやすい性質を持っています。この点から見ると、ダイエット向きとは言えません。
結論:選び方と食べ方が鍵
以上の点から、柏餅は単純にダイエット向きか不向きかを二元論で語れるものではないことが分かります。
「無性に甘いものが食べたい」という時に、高カロリー・高脂質なケーキやスナック菓子に手を伸ばす代わりに柏餅を選ぶのは、賢明な選択です。しかし、それを毎日食べたり、量を考えずに食べたりすれば、当然太る原因になります。
ダイエット中に柏餅を食べる際は、あんこの種類を意識する(カロリーを気にするならこしあん、食物繊維を摂りたいならつぶあん)、食べる量や時間を工夫するといった「賢い食べ方」を実践することが、ダイエットの成否を分ける鍵となるのです。
知っておきたい太る食べ方・太りにくい食べ方
同じ柏餅を食べるにしても、少しの工夫で太りやすさが大きく変わることがあります。ここでは、避けるべき「太る食べ方」と、ぜひ実践したい「太りにくい食べ方」を具体的にご紹介します。
避けるべき「太る食べ方」
- 空腹時にいきなり食べる: お腹がペコペコの状態でいきなり柏餅を食べると、血糖値がジェットコースターのように急上昇します。これはインスリンの過剰分泌を招き、脂肪を溜め込む最たる原因となります。
- 夕食後や夜遅くに食べる: 後ほど詳しく解説しますが、夜は脂肪を蓄積する働きが活発になります。この時間帯に糖質の多い柏餅を食べるのは、体に「脂肪を作ってください」と指示しているようなものです。
- 何個も続けて食べる: 1個で我慢できずに2個、3個と食べると、当然ながら摂取カロリーと糖質量は倍増します。体の処理能力を超えた糖質は、そのまま体脂肪へと直行します。
- 甘い飲み物と一緒に食べる: ジュースや加糖のコーヒー・紅茶などと一緒に食べると、糖質のダブル摂取となり、血糖値の上昇に拍車をかけます。
実践したい「太りにくい食べ方」
- 食事の後にデザートとして食べる: 食物繊維が豊富な野菜などを含む食事を摂った後であれば、血糖値の上昇が緩やかになります。食後のデザートとして少量楽しむのがおすすめです。
- お茶(特に緑茶)と一緒に食べる: 緑茶に含まれるカテキンには、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える働きが期待できます。和菓子とお茶の組み合わせは、味の相性だけでなく、健康面でも理にかなっています。
- 食べる量をあらかじめ決めておく: 「1日1個だけ」と心に決め、それ以上は食べないルールを作りましょう。大袋で買うのではなく、個包装のものを選ぶのも一つの手です。
- よく噛んでゆっくり味わう: よく噛むことで満腹中枢が刺激され、少量でも満足感を得やすくなります。また、唾液の分泌が促され、消化を助ける効果もあります。
これらのポイントを意識するだけで、柏餅を罪悪感なく、そして賢く楽しむことができます。少しの心がけが、あなたのダイエットを成功に導くのです。
夜寝る前に食べると太る?何時までがいい?

「夜食に甘いものが食べたい…」という誘惑は誰にでもあるものですが、ダイエット中であれば、夜寝る前に柏餅を食べるのは避けるべきです。その科学的な理由と、食べるなら何時までが良いのかという目安について解説します。
なぜ夜に食べると太りやすいのか?
私たちの体には、「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質が存在します。このBMAL1には、体内で脂肪を合成する働きを活性化させ、脂肪細胞に脂肪を溜め込むよう指令を出す役割があります。
問題は、BMAL1が1日の中で分泌量が大きく変動することです。BMAL1の分泌量が最も少なくなるのは、午後2時~3時頃。この時間帯は「食べても太りにくい時間」と言えます。
逆に、BMAL1の分泌量が最も多くなるのが、午後10時~深夜2時にかけての時間帯です。この時間帯は、午後3時頃と比較してBMAL1の量が20倍以上にもなると言われています。つまり、同じものを同じ量だけ食べても、夜遅くに食べると格段に脂肪として蓄積されやすくなってしまうのです。
食べるなら「3時のおやつ」がベスト
この体のリズムを考慮すると、柏餅を食べるのに最も適した時間は、BMAL1の分泌が少ない午後2時~3時、いわゆる「おやつの時間」です。この時間帯であれば、摂取したエネルギーもその後の活動で消費されやすく、脂肪になりにくいと考えられます。
どうしても夜に食べるなら何時まで?
理想は夕食前までに食べ終えることです。夕食後のデザートとしても、できるだけ早い時間帯に済ませるのが賢明です。
「何時まで」という明確な線引きは難しいですが、少なくとも就寝する3時間前までには食べ終えるように心がけましょう。胃に食べ物が残ったまま眠りにつくと、消化活動が睡眠の質を妨げ、代謝の低下にも繋がります。
結論として、夜寝る前に柏餅を食べるのは太るリスクが非常に高いため、避けるのが賢明です。食べるのであれば、日中の活動時間、特に「3時のおやつ」として楽しむのが、ダイエットの観点からは最も安全な選択と言えます。
朝ごはんが柏餅だと太るのか?

忙しい朝、手軽に食べられる柏餅を朝食代わりにしてしまう…という方もいるかもしれません。しかし、栄養バランスの観点から見ると、朝ごはんを柏餅だけで済ませることはあまりおすすめできません。
朝食としての柏餅のメリットとデメリット
メリット
朝は、1日の活動を始めるためにエネルギーを必要としています。その点で、糖質が主体の柏餅は、脳や体のエネルギー源を素早く補給するという役割を果たしてくれます。寝起きのぼんやりした頭をシャキッとさせる効果は期待できるかもしれません。
デメリット
一方で、デメリットは非常に大きいです。
- 栄養バランスの偏り: 柏餅には炭水化物(糖質)しかほとんど含まれていません。筋肉の材料となるタンパク質や、体の調子を整えるビタミン、ミネラルが決定的に不足しています。このような食事が続けば、筋肉量が減って代謝が落ち、かえって痩せにくい体質になる可能性があります。
- 血糖値の急上昇: 空っぽの胃にいきなり糖質の塊である柏餅を入れると、血糖値が急激に上昇します。これにより、日中に眠気やだるさを感じやすくなるだけでなく、脂肪を溜め込みやすい状態を作ってしまいます。
- 腹持ちが良くない: 脂質や食物繊維が少ないため、満足感が持続しにくく、すぐにお腹が空いてしまう可能性があります。その結果、昼食までの間にお菓子をつまんでしまったり、昼食を食べ過ぎてしまったりする原因にもなりかねません。
朝食で柏餅を食べるなら
もし、どうしても朝食に柏餅を取り入れたいのであれば、単体で食べるのではなく、他の食品と組み合わせる工夫が大切です。
例えば、無糖のヨーグルトや牛乳、ゆで卵などを一緒に食べることで、不足しているタンパク質を補うことができます。また、最初にミニトマトやサラダなど、食物繊維の多い野菜を食べることで、血糖値の急上昇をいくらか緩やかにすることも可能です。
結論として、「朝ごはんが柏餅だと太るのか?」という問いに対しては、「柏餅だけでは栄養が偏り、結果的に太りやすい体質を招く可能性がある」と答えるのが適切です。朝食は1日の活動の基盤となる重要な食事。バランスの取れた内容を心がけることが、健康的なダイエットの基本です。
素朴な疑問!柏餅の葉っぱは食べる?

柏餅を食べる際に、ふと「この柏の葉っぱは食べてもいいのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか。結論から言うと、一般的に柏餅に使われている柏の葉は食べません。
なぜ葉っぱで包んでいるのか?
柏の葉で餅を包むのには、いくつかの理由があります。
- 香りづけ: 柏の葉を巻いて蒸すことで、その爽やかな香りが餅に移り、独特の風味を生み出します。この香りが初夏の訪れを感じさせてくれます。
- 乾燥防止と保湿: 餅は空気に触れるとすぐに硬くなってしまいます。葉で包むことにより、餅の水分が蒸発するのを防ぎ、もちもちとした食感を長く保つ効果があります。
- 抗菌作用: 柏の葉には「オイゲノール」や「フィトンチッド」といった成分が含まれており、これらには天然の抗菌・防腐作用があります。昔、冷蔵技術が未熟だった時代に、食べ物が傷むのを防ぐための先人の知恵だったのです。
- 縁起物として: 柏の木は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないという特性があります。このことから、「家系が途絶えない」「子孫繁栄」の象徴とされ、子どもの健やかな成長を願う端午の節句に食べる縁起の良いお菓子として定着しました。
葉っぱを食べない理由
一般的に、和菓子店で販売されている柏餅の葉は、食べることを想定して洗浄や加工がされているわけではありません。硬くて筋張っており、食感も良くありません。あくまで餅の風味付けや保存性を高めるための「包装紙」のような役割だと考えるのが良いでしょう。
桜餅に使われる桜の葉は塩漬けにされており、食べられるように加工されていますが、柏餅の葉はそれとは異なります。安心して美味しくいただくためにも、葉はきれいに剥がしてから中の餅を食べるようにしましょう。
かしわ餅人気おすすめ3選

全国には柏餅の名店が数多く存在しますが、その中からどの選べば良いか迷う方もいらっしゃるでしょう。ここでは、伝統の味を守りつつも多くの人々から愛され続けている、特におすすめしたい人気店を3つ厳選してご紹介します。それぞれに個性とこだわりがあり、一度は味わってみたい逸品ばかりです。
仙太郎(せんたろう)
京都に本店を構える明治19年創業の老舗和菓子店「仙太郎」は、「身土不二(しんどふに)」、つまり自分の生まれ育った土地のものを食べるのが体になじみやすいという考え方を大切にしています。素材そのものの味を最大限に引き出すことにこだわり、見た目の美しさよりも「本当の美味しさ」を追求する姿勢が多くのファンを惹きつけています。
仙太郎の柏餅は、その理念を体現したかのような素朴で力強い味わいが特徴です。餅のしっかりとした歯ごたえと米の風味、そして甘さを抑えながらも小豆の風味豊かなあんこのバランスが絶妙です。素材に妥協しないからこそ生まれる深い味わいは、和菓子本来の美味しさを再認識させてくれるでしょう。関東や東海地方にも店舗を展開しているため、比較的手に入れやすいのも嬉しい点です。
銀座あけぼの
銀座に本店を構える「銀座あけぼの」は、昭和23年の創業以来、多くの人々に親しまれてきた名店です。季節感を大切にした様々なお菓子を提供しており、柏餅もまた、毎年心待ちにしているファンが多い人気商品の一つとなります。
あけぼのの柏餅は、素材へのこだわりが光ります。国産の上新粉を使ったお餅は、きめ細やかで滑らかな舌触りとコシの強さが魅力。中身のあんこも、北海道産の小豆を使用するなど、厳選された素材から丁寧に作られています。特に、こしあん、つぶあんに加え、京都の白みそを使ったコクのある「みそあん」も用意されており、三者三様の味わいを楽しめるのが大きな特徴です。上品でありながらも、しっかりとした食べ応えのある柏餅を求める方には特におすすめできます。
たねや
滋賀県を代表する和菓子店「たねや」は、自然の恵みを大切にし、四季の移ろいをお菓子で表現することで知られています。伝統を守りながらも、常に新しい発想を取り入れたお菓子作りは、幅広い世代から支持されています。
たねやの柏餅は、その上品な佇まいと繊細な味わいが持ち味です。瑞々しさを感じるほど滑らかな餅と、丁寧に炊き上げられた甘さ控えめのあんこが、口の中で見事に調和します。派手さはありませんが、一つ一つの素材が持つ本来の良さが丁寧に引き出されており、食べ終えた後に清々しい余韻が残るのが特徴です。全国の主要な百貨店にも店舗を構えているため、特別な日の手土産としても選びやすいでしょう。素材の良さをじっくりと味わいたい方に試していただきたい逸品です。
ダイエット中のおすすめおやつ3選

柏餅も食べ方を工夫すればダイエット中の味方になりますが、他にも安心して楽しめるおやつはたくさんあります。ここでは、カロリーや糖質を抑えつつ、栄養も補給できるおすすめのおやつを3つご紹介します。
1. プレーンヨーグルト(無糖)
ヨーグルトは、ダイエット中に不足しがちなタンパク質とカルシウムを手軽に補給できる優秀なおやつです。特にタンパク質は筋肉の材料となり、基礎代謝を維持するために不可欠。腸内環境を整える善玉菌も豊富で、便秘解消や免疫力アップにも繋がります。
甘みが欲しい場合は、砂糖の代わりに少量のフルーツや、オリゴ糖を含むはちみつを少しだけ加えるのがおすすめです。
2. 寒天ゼリー
寒天は、テングサなどの海藻から作られる食物繊維の塊です。カロリーはほぼゼロに等しく、水分を吸収して膨らむ性質があるため、少量でも満腹感を得やすいのが大きな特徴です。
市販のフルーツゼリーなども良いですが、よりヘルシーに楽しむなら、無糖のコーヒーや紅茶、お茶などで自家製の寒天ゼリーを作るのが最適です。自分で作れば甘さも自由に調節できます。
3. 素焼きのナッツ類
アーモンドやくるみなどのナッツ類は、良質な脂質(不飽和脂肪酸)やビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。歯ごたえがあるため、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
ただし、脂質が多い分カロリーは高めなので、食べる量には注意が必要です。1日に手のひらに軽く一杯(20~25g程度)を目安にしましょう。選ぶ際は、塩や油で加工されていない「素焼き」タイプがおすすめです。

これらのおやつを日々の間食にうまく取り入れることで、空腹感を満たしつつ、ダイエットをより効果的に進めることができるでしょう。
【総まとめ】柏餅が太るかは食べ方次第で変わる
この記事では、柏餅のカロリーや太る原因、そしてダイエット中の賢い食べ方について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。
- 柏餅1個のカロリーは約160~206kcal
- 糖質は1個あたり約36~45gと高め
- 洋菓子に比べて脂質が極端に低いのが特徴
- 和菓子の中では特別高カロリーというわけではない
- 太る主な原因は餅とあんこの「糖質の二重奏」
- 糖質の多さから血糖値を急上昇させやすい
- 消費するにはウォーキングで約1時間必要
- 食べ過ぎは生活習慣病のリスクを高める
- ダイエット向きとは言えないが食べ方の工夫が鍵
- 食べるなら脂肪を溜め込みにくい午後3時頃がベスト
- 夜寝る前の摂取は最も避けるべき
- 緑茶と一緒に飲むと糖の吸収が穏やかになる
- 朝食代わりにするのは栄養バランスが悪く非推奨
- 柏の葉は香りづけや抗菌目的のため食べない
- 柏餅以外にもヨーグルトや寒天など賢いおやつの選択肢を持つ