MENU
カテゴリー

粉飴は太る?太らない?効果的な飲み方と危険性を徹底解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
粉飴は太る?太らない?効果的な飲み方と危険性を徹底解説

こんにちは。ユキフルの道、運営者の「ゆう」です。

体を大きくしたいのに食が細くて悩んでいる方や、逆に加工食品の成分表示を見て予期せぬ体重増加を心配している方もいるかもしれません。

実は粉飴というキーワードで検索すると、筋肉をつけてバルクアップしたいという願いと、健康への不安という二つの異なる意図が見え隠れします。

砂糖と同じカロリーなのに甘くないという特性や、血糖値を急上昇させるメカニズム、そしてプロテインとの相性や飲むタイミングなど、知っておくべき情報は山ほどあります。

今回は私自身が気になって調べた情報を整理し、皆さんの疑問を解消できるよう分かりやすくお話しします。

この記事でわかること
  • 粉飴が甘くないのに砂糖と同じカロリーを持つ理由と注意点
  • 急激な血糖値上昇が招く糖尿病リスクや腸内環境への影響
  • 筋肉をつけたい人向けのプロテインとの黄金比率や摂取タイミング
  • コスパ最強のエネルギー源としての活用法と腎臓病食としての役割
目次

粉飴で太るメカニズムと砂糖の違い

粉飴で太るメカニズムと砂糖の違い

まずは、なぜ「粉飴は太る」と言われるのか、その根本的な仕組みについて掘り下げていきます。単なるカロリーの話だけでなく、私たちの体の中で起きている反応を知ると、その理由がはっきりと見えてきます。多くの方が「カロリーオーバー=太る」というシンプルな図式で考えがちですが、粉飴の場合はもう少し複雑な生化学的なトリックが隠されています。これを理解することで、意図しない肥満を防ぐことも、戦略的に体重を増やすことも可能になります。

1gあたりのカロリーと甘味の罠

粉飴(マルトデキストリン)と砂糖、実はこの二つ、エネルギー量としてはほとんど変わりません。どちらも1gあたり約4kcalです。これは炭水化物全般に言える共通の物理的特性ですね。

しかし、決定的な違いが「甘さ」にあります。粉飴の甘さは、なんと砂糖の5分の1から8分の1程度しかありません。これが何を意味するかというと、「脳が満足する前に、体が大量のカロリーを摂取してしまう」という現象が極めて起きやすいのです。

特性粉飴(マルトデキストリン)砂糖(スクロース)
カロリー (100g)388 kcal約387 kcal
甘味度0.1 – 0.2 (低い)1.0 (基準)
構造グルコースの多糖類グルコース+フルクトース
摂取のしやすさ大量に摂取しやすい甘すぎて大量摂取は困難

通常、私たちの体には「感覚特異的満腹感」という機能が備わっています。これは、特定の味(例えば強い甘み)を連続して摂取すると、脳がその味に対して飽きを感じ、食べるのをやめさせるブレーキ機能のようなものです。ショートケーキを1ホール食べるのが難しいのは、カロリーの限界というよりは、この甘味に対する飽きが先に来るからです。

ところが、粉飴はこのブレーキを巧妙にすり抜けます。甘みが極端に少ないため、水やスープ、プロテインシェイクに大量に溶かしても、味覚的な不快感がほとんどありません。例えば、砂糖を100gも水に溶かせば甘すぎて飲めたものではありませんが、粉飴なら100g溶かしても「ほんのり甘い水」程度にしかならないのです。

無意識の過剰摂取(オーバーフィーディング)
この「甘くない」という特性こそが最大の罠です。「甘くないからカロリーも低いだろう」という直感的な誤解や、「味に影響しないから」といって無制限に追加してしまう行動が、知らず知らずのうちに大幅なカロリーオーバーを招きます。加工食品の成分表示を見てみてください。「マルトデキストリン」という名前で、甘さを感じさせずにカロリーをカサ増しするために使われていることが多々あります。

さらに、粉飴はトウモロコシやジャガイモのデンプンを酵素で分解(加水分解)して作られており、分子の鎖が短くなっています。これにより水への溶解性が非常に高く、ダマになりにくいという特徴も持っています。この使い勝手の良さも相まって、日常的に摂取するハードルが下がってしまい、結果として「気づいたら太っていた」という状況を作り出すのです。

甘くないのに砂糖と同じカロリーとか、完全に脳みそバグるやつやん!知らんとガブガブ飲んでたら、そら太るに決まってるわ。

糖尿病を招く危険性とGI値

次に気をつけたいのが、血糖値の上昇スピードを示す「GI値(グリセミック指数)」です。ここには、単に「太る」という以上の健康リスクが潜んでいます。

粉飴のGI値は非常に高く、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合、粉飴は95〜105に達すると言われています。これは白米(約70〜80)や砂糖(約60〜70)よりも遥かに高い数値です。「砂糖よりもGI値が高い」という事実に驚かれる方も多いのではないでしょうか。

粉飴はデンプンをあらかじめ消化吸収しやすい形まで分解してあるため、摂取すると、胃腸での消化プロセスをほとんど必要とせず、小腸から瞬時に血液中へと雪崩れ込みます。これが「血糖値スパイク」と呼ばれる急激な血糖値の上昇を引き起こします。

インスリンスパイクと脂肪蓄積のメカニズム

血糖値が急上昇すると、私たちの体は緊急事態と判断し、膵臓から大量のインスリンを分泌します。インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれ、血中の余分な糖分をかき集めて、細胞内に押し込む役割を持っています。

問題は、この押し込み先です。激しい運動をした直後であれば、筋肉内のガソリンタンク(グリコーゲンタンク)が空っぽになっているため、糖分は優先的に筋肉へ運ばれ、回復に使われます。しかし、デスクワーク中やテレビを見ている時など、運動をしていない状態で粉飴を摂取するとどうなるでしょうか?

筋肉のタンクはすでに満タンなので、行き場を失った糖分は、インスリンの働きによって強制的に「脂肪細胞」へと送り込まれます。これが、運動を伴わない粉飴摂取が、ダイレクトに体脂肪増加につながる理由です。

膵臓への負担と糖尿病リスク
このような急激な血糖値の乱高下を繰り返していると、膵臓はインスリンを出し続けることに疲弊してしまいます。やがてインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が生じ、最悪の場合、2型糖尿病を発症するリスクが高まります。健康診断で血糖値が高めと指摘されている方は、粉飴の摂取には細心の注意が必要です。(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『インスリン』

また、急激に上がった血糖値は、インスリンの大量分泌によって今度は急激に下がります。これを「反応性低血糖」と呼びます。食後に猛烈な眠気に襲われたり、だるさを感じたり、あるいはイライラしたりするのは、この血糖値の急降下が原因である可能性が高いです。「元気を出すためにエネルギーを摂ったはずが、逆にだるくなる」というパラドックスは、このGI値の高さが引き起こしているのです。

腸内環境の悪化と炎症リスク

粉飴:腸内環境の悪化と炎症リスク

あまり知られていませんが、粉飴(マルトデキストリン)の摂取は腸内環境にも静かなる影響を与える可能性があります。近年の研究トレンドでは、単なるカロリー源としてだけでなく、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)への干渉因子として注目されています。

私たちの腸の内壁は、ネバネバした粘液層(ムチン)によって覆われています。この粘液層は、腸内細菌や食べた物が直接腸の細胞に触れないようにするためのバリア、いわば「城壁」の役割を果たしています。しかし、一部の研究では、マルトデキストリンの摂取がこの粘液層を薄くし、バリア機能を低下させる可能性が示唆されています。

リーキーガット症候群への懸念

粘液層が薄くなると、本来は腸の中に留まっているべき細菌や毒素が、腸の壁をすり抜けて体内(血管内)に侵入しやすくなります。この状態を通称「リーキーガット(腸管壁浸漏症候群)」と呼びます。

細菌が腸の細胞に直接触れると、体は「敵が来た!」と判断して免疫反応を起こし、微弱な炎症が発生します。この炎症は、お腹が痛くなるような急性のものではなく、自覚症状のないまま全身でじわじわと続く「慢性炎症」です。

炎症は「太りやすい体」を作る
恐ろしいことに、体内で慢性的な炎症が続くと、インスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)ことが分かっています。つまり、腸内環境が悪化することで代謝が落ち、同じ量を食べていても太りやすい体質へと変化してしまうのです。お腹の張り(膨満感)やガスっぽさを頻繁に感じる場合は、粉飴が体質に合っていない可能性があります。

また、特定の悪玉菌(例えば、接着性侵襲性大腸菌など)はマルトデキストリンをエサとして好み、増殖しやすくなるという報告もあります。クローン病などの炎症性腸疾患の素因がある方にとっては、症状を悪化させるトリガーになるリスクもゼロではありません。

もちろん、これらは過剰摂取や個人の体質による部分も大きいですが、「粉飴はお腹に優しい」と盲信するのではなく、自分の体の声(便通や体調の変化)に耳を傾けることが大切です。

ただ太るだけやなくて、腸内環境まで荒らすんか。お腹の調子が悪いと代謝も落ちてまうなんて、ほんま悪循環やなぁ。

睡眠と成長ホルモンへの悪影響

粉飴:睡眠と成長ホルモンへの悪影響

「寝ている間にエネルギー切れを起こさないように、寝る前に粉飴を飲むと良い」という噂を耳にしたことはありませんか?バルクアップを目指す界隈ではたまに聞く話ですが、生理学的な観点から見ると、これはかなりリスキーな賭けであり、推奨できません。

睡眠中は、私たちの体にとってメンテナンスのゴールデンタイムです。特に「成長ホルモン」という非常に重要なホルモンが分泌されます。成長ホルモンには、子供の身長を伸ばすだけでなく、大人にとっても「脂肪を分解する」そして「筋肉を合成・修復する」という、まさにダイエットと筋肥大の主役とも言える働きがあります。

しかし、この成長ホルモンには天敵がいます。それが「インスリン」と「高血糖」です。

夜間の高血糖が成長ホルモンをブロックする

就寝直前に粉飴を摂取して血糖値が高い状態で眠りにつくと、体の中ではインスリンが高いレベルで維持されます。実は、血糖値が高い状態では、脳の下垂体からの成長ホルモンの分泌が強力に抑制されてしまうのです。

つまり、寝る前に良かれと思ってエネルギーを補給した結果、本来寝ている間に起こるはずの「脂肪燃焼」と「筋肉修復」のプロセスを自ら止めてしまっていることになります。これでは、脂肪は減らず、筋肉も効率よくつきません。

睡眠の質(クオリティ)の低下
さらに問題なのが「夜間低血糖」です。寝る前に急上昇した血糖値は、寝ている間にインスリンの働きで急降下します。睡眠中に血糖値が下がりすぎると、体は生命の危機を感じ、血糖値を上げようとして「アドレナリン」や「コルチゾール」といった興奮ホルモンを分泌します。

寝ているはずなのに体は興奮状態になり、歯ぎしりをしたり、悪夢を見たり、夜中に何度も目が覚めたりといった症状を引き起こします。結果として睡眠が浅くなり、翌日の疲労感やパフォーマンス低下、さらには食欲ホルモンの乱れによる過食につながるという悪循環に陥ります。

良質な睡眠こそが、最強の天然サプリメントです。その恩恵を最大限に受けるためにも、就寝前3時間以内の粉飴(および糖質)の大量摂取は避けるのが賢明です。どうしても空腹で眠れない場合は、血糖値を上げにくいカゼインプロテインや、少量の脂質を含む軽食の方が体への負担は少ないでしょう。

寝る前に飲んだらアカンかったんか…。「寝てる間に栄養補給!」とか良かれと思ってやってただけに、ショックデカいわ。

粉飴で太るための飲み方とプロテイン

粉飴で太るための飲み方とプロテイン

ここまではリスクについて触れましたが、ここからは「戦略的に太りたい(筋肉をつけたい)」人にとっての活用法です。ボディビルダーやフィジーク選手も愛用しているように、使い方さえ間違えなければ、粉飴は最強のバルクアップツールになります。

プロテインと混ぜる量と比率

粉飴:プロテインと混ぜる量と比率

筋肉を大きくしたい場合、プロテイン(タンパク質)単体よりも、糖質と一緒に摂ることで吸収効率が劇的に高まります。これは、糖質摂取によって分泌されるインスリンが、アミノ酸を筋肉へ運ぶ「運び屋」の役割をしてくれるからです。

インスリンは諸刃の剣ですが、トレーニング直後のような筋肉が栄養を欲しているタイミングでは、最強の味方(アナボリックホルモン)に変わります。このインスリンのスイッチを適切に押すために、粉飴が必要なのです。

黄金比率:タンパク質 1 に対して 糖質 2〜3

一般的に、筋肥大を最大化するための黄金比率は「タンパク質:糖質 = 1:2 〜 1:3」と言われています。具体的な数字で見てみましょう。

  • プロテイン(タンパク質):20g 〜 25g
  • 粉飴(糖質):40g 〜 60g

この量をシェイカーに入れて水で溶かします。「そんなに粉飴を入れて大丈夫?」と思うかもしれませんが、体重70kgの男性がハードなトレーニングをした後であれば、この程度の糖質はすぐに筋肉のタンク(グリコーゲン)に吸い込まれてしまいます。

ただし、これはあくまで目安です。体重が軽い方や女性、あるいはトレーニングの強度がそこまで高くない日の場合は、粉飴の量を20g〜30g程度に減らすなど調整が必要です。

溶けやすさと飲みやすさ
粉飴の良いところは、これだけの量を入れても味が甘くなりすぎず、ドロドロにもなりにくい点です。もし砂糖で同じことをしようとすれば、甘すぎて吐き気を催すレベルになります。プロテインのフレーバー(チョコ味やフルーツ味など)を邪魔せず、すっきりと飲めるのが継続できるポイントです。

筋肥大を最大化するタイミング

粉飴:筋肥大を最大化するタイミング

粉飴の効果を最大化し、かつ体脂肪への蓄積を最小限に抑えるためには、飲む「タイミング」が命です。いつでも飲んでいいわけではありません。

ベストタイミングは、間違いなく「トレーニング中(イントラワークアウト)」から「トレーニング直後(ポストワークアウト)」です。

ゴールデンタイムの正体「GLUT4」

なぜこのタイミングが良いのでしょうか?それには「GLUT4(グルットフォー)」というグルコース輸送体が関係しています。

通常、GLUT4は細胞の中に隠れていますが、以下の2つの刺激によって細胞の表面に出てきて、血液中の糖分を取り込もうとします。

  1. インスリンの刺激(食事をした時)
  2. 筋収縮の刺激(運動をした時)

トレーニング直後は、この「筋収縮」による刺激でGLUT4が活性化しており、さらに粉飴を摂取して「インスリン」を追加することで、ダブルの効果で糖分とアミノ酸が筋肉へ猛烈な勢いで取り込まれます。この時、筋肉はスポンジが水を吸うように栄養を吸収します。

このタイミングであれば、摂取した粉飴は体脂肪になる暇もなく、筋肉の回復と合成に使われます。逆に、運動もしていないオフの日や、デスクワーク中に飲むと、GLUT4は細胞の奥に引っ込んでいるため、余った糖分は脂肪細胞へと直行してしまいます。

「粉飴はトレーニングバッグに入れておき、ジムで飲むもの」。このように割り切って使うのが、良い体を作るコツです。

ユキフル

なるほどな!筋トレ直後なら、飲んだ糖質が脂肪にならんと全部筋肉に行き渡るってわけか。タイミング次第で別物になるんやな。

ハードゲイナーの増量レシピ

粉飴:ハードゲイナーの増量レシピ

「食べても太れない」「少食ですぐにお腹がいっぱいになる」というハードゲイナーの方にとって、固形物の食事量を増やすのは苦痛以外の何物でもありません。無理に食べて胃腸を壊しては本末転倒です。

そんな時こそ、粉飴の出番です。「噛まなくていい」「お腹にたまらない」という特性を活かして、食事の密度(エネルギー密度)をこっそり上げましょう。

具体的には、以下のような「ちょい足し」テクニックが有効です。味がほとんど変わらないため、家族と同じメニューでも、自分のお皿にだけ粉飴を追加することで、簡単に高カロリー食に変身させることができます。

飲み物に溶かす「流動食作戦」

最も手軽なのが、飲み物への添加です。プロテインだけでなく、コーヒー、紅茶、スポーツドリンク、あるいはただの水に溶かしても構いません。

  • コーヒー・紅茶:砂糖の代わりに粉飴を入れます。甘くしたい場合は少量の砂糖や人工甘味料を足せば、甘さは控えめのままカロリーだけを倍増できます。
  • 100%フルーツジュース:もともと糖質が含まれていますが、そこに粉飴を足すことで「スーパーカーボドリンク」になります。ビタミンも一緒に摂れるので朝食におすすめです。

料理に混ぜ込む「隠しカロリー作戦」

粉飴は加熱しても成分が変化しにくいため、温かい料理にも使えます。少しとろみがつくことがありますが、それが逆に料理を美味しくすることもあります。

  • 煮物や照り焼き:みりんや砂糖の一部を粉飴に置き換えるか、追加で投入します。照りがよく出ます。
  • スープ・味噌汁:汁物は粉飴が完全に溶けるので、違和感が全くありません。食欲がない時でも、汁物なら飲めるという場合に最適です。
  • 卵料理:卵焼きやオムレツの卵液に混ぜます。ふっくらと仕上がり、冷めてもしっとり感が続きます。
  • ハンバーグやつくね:ひき肉のタネに練り込みます。肉汁を吸ってジューシーになり、ボリュームもアップします。

外出先でも活用可能
100円ショップなどで売っている小さなシェイカーや小分けボトルに粉飴を入れて持ち歩けば、外食時や職場のランチタイムでも、飲み物にサッと混ぜてカロリー補給ができます。「食べるトレーニング」が辛いと感じているなら、ぜひこの「飲むトレーニング」を取り入れてみてください。

ユキフル

味噌汁とかハンバーグに混ぜるんは盲点やったわ!これなら無理して詰め込まんでも、知らん間にカロリー稼げるなぁ。

腎臓病食としての活用法とメリット

少し視点を変えて、医療的な側面から粉飴を見てみましょう。実は粉飴は、ボディビルダーだけでなく、腎臓病と闘う患者さんにとっても、なくてはならない存在です。ここでは「健康を守るために太る(体重を維持する)」という重要な役割について解説します。

腎臓の機能が低下している場合、食事療法として「低タンパク質・高カロリー」が基本原則となります。これは一見すると矛盾しているように思えるかもしれません。「タンパク質を減らすと、カロリーも減ってしまうのでは?」と思うのが普通ですよね。

「栄養なきカロリー」の有用性

通常、私たちが主食とするご飯やパンには、炭水化物だけでなく植物性のタンパク質も含まれています。肉や魚はもちろんタンパク質の塊です。腎臓病患者さんにとって、タンパク質の代謝産物である「尿素窒素」や、ミネラルの一種である「カリウム」「リン」は、排泄能力が落ちた腎臓にとって大きな負担(毒素)となります。

しかし、食事制限をして摂取カロリーまで落ちてしまうと、人間の体は自分の筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします(カタボリズム)。筋肉が分解されると、そこからまた尿素窒素が発生し、食べていないのに腎臓が悪くなるという最悪の悪循環に陥ってしまいます。

そこで救世主となるのが粉飴です。

栄養素 (100gあたり)粉飴ご飯(精白米)
エネルギー388 kcal168 kcal
タンパク質0 g2.5 g
カリウム0 mg29 mg
リン0 mg34 mg

この表のように、粉飴は製造過程で高度に精製されているため、タンパク質も、カリウムも、リンもほぼゼロです。つまり、「腎臓へのダメージ要因を一切含まず、純粋なエネルギーだけを補給できるクリーンなガソリン」なのです。

病院食や在宅医療の現場では、おかずに混ぜたり、専用のムースに使ったりして、腎臓に負担をかけずに必要なエネルギーを確保するために活用されています。もし、ご家族に食事制限が必要な方がいて体重減少に悩んでいるなら、主治医や管理栄養士に粉飴の活用について相談してみる価値は十分にあります。

医療用食品としての信頼性
ドラッグストアやネット通販で「ハーバー研究所」などのメーカーから販売されている粉飴は、長年医療現場で使われてきた実績があります。単なる増量サプリメントとは異なり、こうした背景があることも、品質への安心感につながりますね。

値段が安くコスパが良い理由

最後に、お財布事情についてです。バルクアップや増量を目指すトレーニーにとって、プロテイン、ビタミン剤、クレアチンなど、サプリメント代は毎月の固定費として重くのしかかります。そんな中、粉飴は圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。

専用品(CCD)と汎用品(粉飴)の違い

スポーツショップに行くと、「CCD(Cyclic Cluster Dextrin:高度分岐環状デキストリン)」という商品名のマルトデキストリンパウダーが売られています。これはグリコなどのメーカーが開発した高機能なデキストリンで、胃からの排出がさらに速く、お腹がちゃぷちゃぷしにくいという優れた特性を持っています。

もちろん予算に余裕があればCCDを選ぶのがベストですが、1kgあたり数千円〜とする場合が多いです。一方で、一般的な「粉飴」や「マルトデキストリン」として売られている商品は、1kgあたり数百円〜1,000円以下で購入可能です。Amazonや楽天などのネット通販で、3kgや5kgの大容量パックを買えば、さらに単価は下がります。

例えば、1回に50g摂取するとして、1kgあれば20回分です。1kg 800円だとしても、1回あたりわずか40円。缶コーヒー1本の3分の1程度の値段で、おにぎり2個分以上のエネルギー(約200kcal)を摂取できる計算になります。

安さゆえの注意点
安いマルトデキストリンの中には、冷たい水に溶けにくいものや、少しダマになりやすいものもあります。また、甘さの度合い(DE値)も商品によって微妙に異なります。最初は1kg程度のサイズで試してみて、自分の使っているシェイカーで溶けやすいか、味は許容範囲かを確認してから、大容量パックに移行することをおすすめします。

「増量」は1日2日で成し遂げられるものではありません。数ヶ月、あるいは数年単位で継続する必要があります。だからこそ、継続可能な価格であることは、成分の優秀さと同じくらい重要なスペックなのです。浮いたお金を質の良いプロテインや、普段の食事の質の向上(良いお肉を買うなど)に回すことで、トータルでの体作りを加速させることができるでしょう。

サプリ代って毎月地味に財布に響くからなぁ。1回数十円で済むんは、長いこと続けていく上でほんまにありがたい話やで。

粉飴に関するよくある質問(Q&A)

粉飴に関するよくある質問(Q&A)

最後に、ブログの読者さんやYouTubeのコメント欄でよくいただく質問を、Q&A形式でまとめました。疑問点の解消に役立ててください。

粉飴を飲むと、お腹がゴロゴロして下してしまうのですが対策はありますか?

一度に大量に摂取すると、腸内の浸透圧が高くなりすぎて下痢(浸透圧性下痢)を起こすことがあります。特に初めての方は、少量(10g〜20g程度)から始めて、徐々に体を慣らしていくことをおすすめします。また、溶かす水の量を増やして濃度を薄くすることで改善する場合もあります。

運動をしない日(休息日)も飲んだ方がいいですか?

増量(バルクアップ)を最優先している時期なら飲んでも構いませんが、量は半分以下に落とすのが無難です。運動による消費がない状態で大量に摂取すると、そのまま体脂肪になりやすいため、基本的には「食事で炭水化物をしっかり摂る」ことに重点を置き、粉飴はお休みしてもOKです。

ダイエット用のお茶に入っている「難消化性デキストリン」と同じものですか?

いいえ、名前は似ていますが全く逆の性質を持つ別物です。「粉飴(マルトデキストリン)」は消化・吸収が非常に速いエネルギー源ですが、「難消化性デキストリン」は食物繊維の一種で、糖の吸収を穏やかにして太りにくくする働きがあります。購入の際はパッケージをよく確認してくださいね。

料理の際、砂糖の代わりとして味付けに使えますか?

残念ながら、甘味がほとんどないため「味付け(甘くする)」という目的には使えません。砂糖の代わりに入れると、甘くないのにカロリーだけが高い料理が出来上がってしまいます。「照りを出す」や「肉汁を閉じ込める」といった、機能面での隠し味として使うのがおすすめです。

粉飴で太るか否かは使い方次第

ここまで、粉飴(マルトデキストリン)のメカニズムからリスク、そして具体的な活用法まで詳しく見てきました。

結論として、「粉飴は太るのか?」という問いへの答えは、「YESであり、NOでもある」と言えます。

何も考えずに、運動もせず、ただジュースや料理に混ぜて摂取し続ければ、間違いなく「脂肪」として太ります。急激な血糖値上昇はインスリンを無駄遣いさせ、糖尿病や腸内環境の悪化という健康リスクも招きます。これは私たちが最も避けたい「悪い太り方」です。

しかし、正しい知識を持ち、タイミングと量をコントロールできる人にとっては、これほど頼もしい味方はありません。

  • タイミング:トレーニング中〜直後の「ゴールデンタイム」に集中させる。
  • 組み合わせ:必ずプロテイン(タンパク質)と一緒に摂取し、同化作用を高める。
  • リスク管理:夜間の大量摂取を避け、睡眠と腸内環境に配慮する。

この3つのルールを守れば、粉飴はあなたの体を「脂肪で太らせる」のではなく、「筋肉で大きくする」ための最強のツールになります。

私自身も、食が細くてなかなか体重が増えなかった時期に、粉飴には本当に助けられました。魔法の粉ではありませんが、理にかなった使い方をすれば、必ず結果はついてきます。「太る」という言葉をポジティブな意味に変えて、理想の体作りや健康管理に役立ててみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたのフィットネスライフがより良いものになりますように。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次