食後や休憩時間に、香ばしい香りでほっと一息。
私たちの日常に馴染み深いほうじ茶ですが、「飲むと太る」という噂を耳にして、お気に入りの一杯を我慢していませんか?ヘルシーなはずのその一杯が、もしダイエットの努力を妨げているとしたら…。
ご安心ください。この記事では、「ほうじ茶で太る」という噂の真相を、カロリーや糖質といった栄養学的な事実から徹底的に解明します。
太る原因とされるNGな飲み方と、逆に味方になる賢い飲み方の決定的な違いとは?
さらに、ダイエット中に嬉しい効果から知っておくべきデメリット、夜は何時までなら飲んで良いのかという時間帯の疑問まで、あなたの不安にハッキリとお答えします。
この記事を最後まで読めば、もう迷うことはありません。
ほうじ茶との正しい付き合い方を身につけ、心からリラックスできる最高の一杯を毎日楽しみましょう。
- ほうじ茶自体の正確なカロリーと糖質の事実
- ほうじ茶を飲んで「太る」と言われる本当の原因と対策
- ダイエット中に期待できるほうじ茶の嬉しい効果と注意点
- 太りにくいほうじ茶の選び方と賢い飲み方のポイント
ほうじ茶で太るのは飲み方が原因だった

- ほうじ茶自体のカロリー・糖質は?
- 他の飲み物とのカロリー比較をチェック
- 太る原因はほうじ茶ではなく「飲み方」
- 太る飲み方・太りにくい飲み方の違い
- 手軽なほうじ茶ラテは太るので要注意
ほうじ茶自体のカロリー・糖質は?
ほうじ茶を飲むと太るかもしれない、という心配を解消するために、まず最も基本的な事実から確認しましょう。結論からお伝えすると、何も加えないストレートの状態で飲む限り、ほうじ茶のカロリーと糖質はほぼゼロです。
これは、信頼性の高い情報源である文部科学省公表の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」においても明確に示されています。このデータによると、ほうじ茶の浸出液、つまり私たちが普段飲んでいるお湯で抽出した液体の栄養価は、100gあたりエネルギーが0kcal、炭水化物(糖質)も0gと記載されています。
なぜノンカロリーなのかと言うと、お茶は茶葉そのものを食べるのではなく、お湯で成分を抽出した液体を飲む飲料だからです。茶葉自体には食物繊維などの栄養素が含まれていますが、これらの多くは水に溶け出しにくい性質を持っています。そのため、お湯で淹れたほうじ茶には、カロリーとして計上される成分はほとんど移行しないのです。
したがって、一日に何杯飲んだとしても、ほうじ茶自体からカロリーや糖質を摂取することにはならず、これが直接的な体重増加の原因になることは考えられません。むしろ、適切な水分補給は体の巡りを良くし、健康的なダイエットの基本となります。その点で、カロリーを気にせず飲めるほうじ茶は、非常に優れた選択肢の一つと言えるのです。

なんや、ゼロカロリーなんやったら安心やね。これならガマンせんと、おいしく飲めるやんか!
他の飲み物とのカロリー比較をチェック


ほうじ茶がノンカロリーであることは分かりましたが、その価値は他の一般的な飲み物と比較することで、より一層明確になります。普段何気なく手に取っている飲み物がいかに多くのカロリーを含んでいるかを知れば、ほうじ茶がいかにダイエット向きであるかをご理解いただけるでしょう。
以下に、主な飲料の100mlあたりのカロリー目安をまとめました。
飲料の種類 | カロリー(目安) | 糖質(目安) | 備考 |
ほうじ茶 | 0 kcal | 0 g | 砂糖やミルクなどを加えない場合 |
水 | 0 kcal | 0 g | |
無糖コーヒー | 0 kcal | 0 g | ブラックの場合 |
麦茶 | 0 kcal | 0 g | |
オレンジジュース(100%) | 約42 kcal | 約9 g | 果物由来の果糖を含む |
コーラ | 約40 kcal | 約10 g | 主に果糖ぶどう糖液糖 |
牛乳(普通牛乳) | 約61 kcal | 約5 g | 乳糖や脂質を含む |
カフェオレ(砂糖入り) | 約40-50 kcal | 約6-8 g | 牛乳と砂糖による |
このように、砂糖や果糖、乳製品が含まれる飲み物には、当然ながらカロリーと糖質が存在します。例えば、500mlペットボトルのコーラを1本飲むと約200kcalを摂取することになり、これはおにぎり1個分以上に相当します。
もし、1日に2杯飲んでいたカフェオレ(1杯あたり約80kcalと仮定)を無糖のほうじ茶に置き換えるだけで、1日で160kcal、1ヶ月(30日)で4800kcalものカロリーを削減できます。これは体脂肪に換算すると約660g分に相当し、飲み物を変えるだけで大きなダイエット効果が期待できることがわかります。
カロリー制限を意識しているダイエット中に甘い飲み物が欲しくなるのは自然なことですが、そんな時に無糖のほうじ茶を選ぶことは、ストレスを溜めずにダイエットを成功させるための非常に賢明な選択と言えるでしょう。
太る原因はほうじ茶ではなく「飲み方」
前述の通り、ほうじ茶そのものに太る原因は見当たりません。では、なぜ「ほうじ茶を飲むと太る」という誤解が生まれてしまったのでしょうか。その最大の理由は、ほうじ茶の「飲み方」や「一緒に食べるもの」に隠されています。
ほうじ茶自体はノンカロリーの優秀な飲み物ですが、その香ばしい風味は砂糖やミルク、はちみつといった甘味料や乳製品と非常に相性が良いのが特徴です。そのため、ついこれらを加えてアレンジしたくなるのが人の性かもしれません。しかし、この「ちょい足し」が、気づかぬうちにカロリーオーバーを招く落とし穴なのです。
- スティックシュガー(3g): 約12kcal
- ガムシロップ(1個): 約20-30kcal
- はちみつ(小さじ1杯): 約21kcal
- 牛乳(50ml): 約30kcal
- 豆乳(無調整、50ml): 約23kcal
一杯だけなら微々たるカロリーに見えますが、これが習慣化すれば大きな差となります。1日に3杯、砂糖入りのほうじ茶を飲めば、それだけで約36kcal、1ヶ月で1000kcal以上を余分に摂取することになります。
さらに、もう一つの間接的な原因として、ほうじ茶が「お茶請け」と非常に相性が良いことが挙げられます。ほうじ茶のすっきりとした後味は、口の中をリフレッシュさせるため、かえって和菓子やケーキなどの甘いものが進んでしまうという心理的な側面もあります。「ほうじ茶を飲むから太る」のではなく、「ほうじ茶を飲むことを口実に、一緒に高カロリーなお菓子をつい食べてしまうから太る」というケースが非常に多いのです。
これらのことから、ほうじ茶で太るかどうかは、ほうじ茶そのものではなく、それに付随する個人の飲み方や食習慣に大きく左右されると言えます。



なるほどなぁ、ほうじ茶が悪いわけやなかったんやね。飲み方ひとつで変わるんやったら、工夫のしがいがあるっちゅーわけや!
太る飲み方・太りにくい飲み方の違い


ほうじ茶を心置きなく楽しみながらも健康的な体を維持するためには、「太る飲み方」のパターンを理解し、それを避けて「太りにくい飲み方」を実践することが何よりも大切です。両者の違いは、主にカロリーのあるものを加えるかどうかの習慣にあります。
太る飲み方の具体例とその問題点
砂糖やガムシロップを習慣的に加えることは、最も典型的な太る飲み方です。特に冷たいほうじ茶に入れるガムシロップは、甘さを感じにくいため思った以上の量を使ってしまいがちです。これにより、知らず知らずのうちに糖質の過剰摂取につながり、血糖値の乱高下や脂肪の蓄積を招く可能性があります。
また、牛乳や生クリームでラテにする飲み方も注意が必要です。カフェで提供されるほうじ茶ラテは、まろやかさを出すために脂肪分の多い乳製品や、風味を豊かにするための甘いシロップが加えられていることがほとんどです。これを日常的に飲む習慣は、ジュースを飲むのと同様にカロリーオーバーの原因となります。
そして、「ほうじ茶=おやつの時間」と位置づけ、必ずお菓子と一緒に飲む習慣も危険です。ほうじ茶を飲む行為が、高カロリーなスイーツを食べるための「引き金」になっていないか、一度自身の食生活を見直してみることをお勧めします。
太りにくい飲み方の具体例とそのメリット
最も基本的で間違いのない飲み方は、何も加えないストレート(無糖)で飲むことです。これにより、ほうじ茶本来の香ばしい香りやすっきりとした味わいを最大限に楽しむことができます。雑味がないため、味覚がリセットされ、素材の味を敏感に感じられるようになるというメリットもあります。
また、できるだけホットでゆっくり味わうこともお勧めします。温かい飲み物は体を内側から温め、血行を促進し、代謝の維持を助けます。さらに、ゆっくり時間をかけて飲むことで、精神的な満足感を得やすくなり、偽の空腹感を紛らわしたり、間食を防いだりする効果も期待できます。
どうしても甘さが欲しい特別な時には、市販されている天然由来のカロリーゼロ甘味料(ラカントなど)を少量利用する方法もあります。ただし、これも常用するのではなく、あくまでダイエット中のストレスを溜めないための「たまのご褒美」として賢く活用するのが良いでしょう。
手軽なほうじ茶ラテは太るので要注意
近年、カフェの定番メニューやコンビニエンスストアのチルドカップ飲料として、ほうじ茶ラテは絶大な人気を誇ります。その香ばしく優しい甘さは多くの人々を魅了しますが、手軽に楽しめる反面、ダイエット中には特に注意が必要な飲み物の一つであることを認識しておく必要があります。
その最大の理由は、市販されているほうじ茶ラテの多くが、私たちの想像以上に大量の砂糖や乳製品を含んでいるためです。例えば、主要なカフェチェーンで提供されているトールサイズのほうじ茶ラテ(ホイップクリームなし)には、一般的に200kcal前後、糖質も20gから30g程度含まれている場合があります。これは、茶碗に軽く一杯のご飯(約235kcal, 糖質約53g)に迫る数値であり、飲み物としては決して低カロリーとは言えません。
ペットボトルや紙パックで販売されている商品も同様です。飲みやすさを追求するために「果糖ぶどう糖液糖」や「砂糖」といった糖分が原材料表示の上位に記載されていることが多く見られます。特に「果糖ぶどう糖液糖」は、砂糖よりも安価で甘みが強いため多用されますが、血糖値を急激に上昇させやすく、脂肪として蓄積されやすいという特徴があるため、ダイエット中は避けたい甘味料です。
もし、どうしてもほうじ茶ラテが飲みたい場合は、以下のような工夫をすることをお勧めします。
- カフェで注文する場合: 「シロップを少なめ(または抜き)」「低脂肪乳や無脂肪乳、豆乳に変更する」といったカスタマイズが可能か確認してみましょう。
- 自宅で作る場合: 濃いめに淹れた無糖のほうじ茶に、無調整豆乳やアーモンドミルク(無糖)を少量加えるのがお勧めです。甘みは前述のカロリーゼロ甘味料で調整すれば、罪悪感なくヘルシーな自家製ラテを楽しむことができます。
手軽さや美味しさに惹かれて無意識に選ぶのではなく、その中身を理解した上で賢く付き合っていくことが大切です。



ついつい飲んでまうけど、ラテはなかなかのクセもんやなぁ。おいしいもんには、ちっちゃいトゲがあるってことやね!
「ほうじ茶で太る」は誤解?ダイエットへの活用法


- ダイエットに期待できるほうじ茶の効果
- ほうじ茶はダイエット中にあり?なし?
- 飲み過ぎると体に悪い?デメリットを解説
- 夜寝る前に飲むと太る?適切な時間帯は
ダイエットに期待できるほうじ茶の効果
ほうじ茶は単に太らないというだけでなく、その飲み方を工夫すれば、ダイエットを多角的にサポートしてくれる心強い味方になる可能性があります。これは、ほうじ茶に含まれる特有の成分に、私たちの体のコンディションを整え、痩せやすい状態へと導く働きが期待されているためです。
カテキンによる脂肪対策サポート
ほうじ茶は緑茶と同じ茶葉を焙煎して作られるため、ポリフェノールの一種であるカテキンを依然として含んでいます。焙煎過程で量は減少するものの、その働きが完全になくなるわけではありません。このカテキンには、食事から摂取した脂肪の吸収を穏やかにする作用や、体内に蓄積された脂肪の燃焼を助ける酵素を活性化させる作用などが報告されています。つまり、食事と一緒に飲むことで余分な脂肪の吸収を抑え、運動と組み合わせることでより効率的な脂肪燃焼をサポートしてくれる可能性があるのです。
ピラジンによる血行促進と代謝サポート
ほうじ茶を淹れた時に立ち上る、あの独特で心を落ち着かせる香ばしい香りの主成分は「ピラジン」という成分です。このピラジンは、もともとの緑茶葉にはほとんど含まれず、高温で焙煎する過程で生成されます。ピラジンには血管を拡張させて血流を促進する働きがあると言われており、これによって体の隅々まで温かい血液が巡るようになります。体が内側から温まると、基礎代謝が向上し、エネルギーを消費しやすい体質作りに繋がります。特に、女性に多い冷え性は血行不良が原因の一つであり、代謝を低下させてダイエットの妨げになるため、体を温める効果は非常に有益と言えます。
香り成分によるストレス緩和
ダイエット中は食事制限や運動の義務感から、知らず知らずのうちにストレスが溜まりがちです。ストレスは「コルチゾール」というホルモンの分泌を促し、これが食欲の増進や脂肪の蓄積につながることがあります。ほうじ茶の香り成分であるピラジンや、緑茶由来のアミノ酸「テアニン」には、脳がリラックス状態にある時に発するα波を増やす効果が認められています。温かいほうじ茶をゆっくりと飲む時間を作ることで、心身をリラックスさせ、ストレスによる過食を防ぎ、ダイエットを継続するための精神的な支えとなってくれるでしょう。



ええことだらけやんか!太らんだけやのうて、ええ働きまでしてくれるなんて、もうほうじ茶さまさまやで!
ほうじ茶はダイエット中にあり?なし?


これまでの情報を総合的に判断すると、ほうじ茶はダイエット中に飲む飲み物として「大いにあり」、むしろ「積極的に取り入れたい飲み物」であると言えます。カロリーゼロで安心して水分補給ができる基本性能に加え、ダイエットを後押ししてくれる嬉しい効果まで期待できるからです。
ダイエット成功の鍵は、無理なく続けられる習慣を生活に取り入れることです。その点で、ほうじ茶は様々なシーンで活躍します。
- 食事のお供として特に脂っこい食事や、カロリーの高い食事を摂る際に、無糖のほうじ茶を一緒に飲むことを習慣にしましょう。カテキンの働きで脂肪の吸収を穏やかにする効果が期待できるだけでなく、すっきりとした味わいが口の中をリフレッシュさせてくれるため、食べ過ぎの防止にも繋がります。
- 運動前のスイッチとしてウォーキングやジョギング、ジムでのトレーニングといった運動を始める30分ほど前に、温かいほうじ茶を一杯飲むのも非常に効果的です。カテキンによる脂肪燃焼サポート効果に加え、適度なカフェインが交感神経を刺激し、集中力を高めて運動のパフォーマンス向上を助けてくれる可能性があります。
- 賢いおやつの置き換えとして午後や夕食前に小腹が空いた時、あるいは単に口寂しい時、つい甘いお菓子やジュースに手が伸びてしまうことはありませんか。そんな時にこそ、温かいほうじ茶の出番です。ゆっくりと時間をかけて香りを楽しみながら味わうことで、高い満足感が得られ、空腹感を効果的に紛らわすことができます。これは、無駄な間食カロリーをカットするための簡単かつ効果的なテクニックです。
このように、日常生活の様々な場面でほうじ茶を意識的に取り入れることで、我慢や無理をすることなく、健康的なダイエットを推進する手助けとなるはずです。
飲み過ぎると体に悪い?デメリットを解説
多くの健康的なメリットを持つほうじ茶ですが、どんな食品や飲料にも言えるように、過剰な摂取は予期せぬデメリットを引き起こす可能性があります。「体に良いから」といって無制限に飲むのではなく、適量を守ることの重要性も理解しておきましょう。
カフェインの含有量と過剰摂取リスク
ほうじ茶のカフェイン含有量は、他の一般的な飲料と比較して少ないのが特徴です。これは、カフェインが比較的少ない番茶や茎茶を原料とすることが多い点や、高温で焙煎する過程でカフェインの一部が昇華(気化)して減少するためです。参考までに、各飲料100mlあたりのカフェイン含有量の目安を見てみましょう。
飲料の種類 | カフェイン含有量(目安) |
コーヒー(ドリップ) | 約60 mg |
紅茶 | 約30 mg |
煎茶 | 約20 mg |
ほうじ茶 | 約20 mg |
玉露 | 約160 mg |
このように、ほうじ茶のカフェイン量は煎茶と同程度で、コーヒーの約3分の1です。しかし、ゼロではありません。欧州食品安全機関(EFSA)などが示す健康な成人の1日あたりのカフェイン摂取量の目安は400mgです。これをほうじ茶に換算すると、約2リットルに相当します。
通常の水分補給として飲む分には問題ありませんが、水代わりに大量に飲み続けると、この上限を超える可能性があります。カフェインの過剰摂取は、不眠、めまい、心拍数の増加、胃の不快感などを引き起こすことがあるため注意が必要です。特にカフェインに敏感な方は、夕方以降の摂取を控えるなど、飲む量や時間帯を調整しましょう。
タンニンによる鉄分の吸収阻害
お茶に含まれる渋み成分であるタンニン(カテキン類が結合してできるポリフェノールの一種)には、食事に含まれる非ヘム鉄(植物性食品に多い鉄分)と結合し、その吸収を妨げる性質があります。健康な人が通常の量を飲む分には大きな問題にはなりませんが、特に鉄欠乏性貧血と診断されている方や、月経中で鉄分が不足しがちな女性、妊娠中・授乳中の方は注意が必要です。鉄分の吸収を最大限にしたい場合は、鉄分の多い食事の直前・直後(前後30分~1時間程度)に濃いほうじ茶を飲むのは避け、食間に楽しむなどの工夫をお勧めします。
これらのデメリットは、あくまで常識の範囲を超えて大量に摂取した場合に顕在化するリスクです。一日あたりマグカップで3~5杯程度を目安に、美味しく楽しむ分には過度に心配する必要はないでしょう。



どんなええもんでも、やり過ぎはあかんっちゅーこっちゃな。体と相談しながら、ほどほどに楽しむんが一番やで。
夜寝る前に飲むと太る?適切な時間帯は


「夜に水分を摂るとむくんで太る」というイメージや、夜間の飲食そのものへの罪悪感から、就寝前にほうじ茶を飲むことをためらう方も少なくありません。しかし、無糖のほうじ茶を寝る前に飲んだこと自体が、直接的な脂肪の蓄積、つまり「太る」原因になることはありません。
ただし、ここで注意すべきは体重増加への「間接的な」影響、とりわけ睡眠の質との関係です。前述の通り、ほうじ茶には少量ながら覚醒作用を持つカフェインが含まれています。カフェインへの感受性は個人差が非常に大きいものの、敏感な方にとっては、就寝前に摂取したわずかなカフェインが寝つきを悪くしたり、夜中に目が覚める原因になったり、全体的に眠りを浅くしたりする可能性があります。
そして、この「睡眠の質の低下」こそが、ダイエットの思わぬ落とし穴となり得るのです。睡眠が不足すると、私たちの体内では食欲に関連するホルモンのバランスが崩れることが多くの研究で示されています。具体的には、食欲を増進させるホルモンである「グレリン」の分泌が増加し、逆に満腹感を与え食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌が減少してしまうのです。その結果、翌日になってから無性に甘いものや高カロリーなものが食べたくなったり、満腹感を得にくく食べ過ぎてしまったりと、摂取カロリーが増加する傾向にあります。
このメカニズムを考慮すると、カフェインが睡眠に影響しやすい自覚のある方は、就寝の5~6時間前からカフェインを含む飲料を避けるのが無難です。これは、カフェインの血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)が、一般的に4時間程度とされているためです。
夜、リラックスするために温かい飲み物が欲しくなった際には、ほうじ茶の中でもカフェインの含有量がさらに少ない「京番茶」や「カフェインレスほうじ茶」を選ぶか、完全にカフェインを含まないルイボスティー、カモミールティー、麦茶などを選択するのが賢明な判断と言えるでしょう。



なるほど、ぐっすり眠るためには時間も大事なんやな。飲むタイミングをちょっと気ぃつけるだけで、次の日も元気に過ごせるで!
結論:ほうじ茶で太るかどうかはあなた次第
この記事を通じて解説してきた、ほうじ茶と体重に関する重要なポイントを最後にまとめて確認しましょう。これらの知識を活かすことで、ほうじ茶をダイエットの敵ではなく、頼れる味方にすることができます。
- ほうじ茶自体のカロリーと糖質はほぼゼロ
- 無糖で飲む限り太る心配はほとんどない
- 太る主な原因は砂糖やミルクなどの添加物にある
- 市販の甘いほうじ茶ラテは高カロリーなので注意が必要
- 他の甘いジュースや清涼飲料水と比較してはるかに低カロリー
- ダイエット中の水分補給として非常に適している
- カテキンには脂肪の吸収を穏やかにする働きが期待される
- 香り成分ピラジンには血行促進や体を温める効果も
- リラックス効果でダイエット中のストレス緩和をサポート
- 飲み過ぎはカフェインの過剰摂取につながる可能性がある
- 1日の摂取量は2リットル程度を目安にするのが賢明
- カフェインが睡眠を妨げ間接的に太る原因になることも
- 就寝直前ではなく数時間前までに飲むのがおすすめ
- 貧血気味の人はタンニンによる鉄分吸収阻害に配慮する
- ほうじ茶で太るかどうかはあなたの飲み方次第で決まる