仕事や勉強の頼れる相棒、モンスターエナジー。
しかし、その一本を手に取るたびに「これを飲んだら太るのでは?」という罪悪感や不安を感じていませんか?
「ゼロシュガーなら大丈夫」という考えは、実は大きな落とし穴かもしれません。
モンスターエナジーが太ると言われる本当の原因、種類ごとのカロリーや糖質の違い、砂糖の量、そして巷で囁かれる「飲むと痩せた」という噂の真相。
飲み過ぎが体に悪いという話や、夜寝る前に飲むリスクなど、知りたいことは山積みのはずです。
この記事では、あなたのそんな疑問に全てお答えします。
他の飲み物との徹底比較から、太る飲み方と太りにくい飲み方の決定的な違い、ダイエット中でも安心して楽しむための秘訣まで、科学的根拠に基づいて詳しく解説。
もう迷わずにモンスターエナジーと付き合うための知識がここにあります。
- モンスターエナジーが太ると言われる具体的な理由
- ゼロシュガーを含む各種類ごとのカロリーと糖質の違い
- ダイエット中に飲む場合の太りにくい飲み方と注意点
- 健康への影響と安全に楽しむための摂取量の目安
モンスターエナジーは太る?成分と原因を解説

- モンスターエナジーの太る原因は糖質
- 砂糖の量は?
- 種類別のカロリー・糖質を一覧で紹介
- 他の飲み物とのカロリー比較
- モンスターゼロシュガーでも太る可能性は?
- 飲み過ぎると体に悪い?デメリットを解説
モンスターエナジーの太る原因は糖質
モンスターエナジーが体重増加につながる可能性があると言われる最大の理由は、その豊富な糖質量にあります。特に、定番の緑色の缶「モンスターエナジー」には、エネルギーを迅速に補給することを目的として、多くの糖質が添加されています。
私たちの体は、糖質を摂取すると血糖値が上昇します。この上昇した血糖値を正常な範囲に戻すために、膵臓からインスリンというホルモンが分泌される仕組みになっています。インスリンは、血液中の糖(ブドウ糖)を細胞に取り込ませてエネルギーとして利用させる重要な役割を担いますが、同時にエネルギーとして消費されずに余った糖を、脂肪細胞に中性脂肪として蓄える働きも持っています。
モンスターエナジーのような糖質を多く含む飲料を飲むと、血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」が起こりやすくなります。これによりインスリンが過剰に分泌され、脂肪の蓄積が促進されてしまうのです。
公式サイトの栄養成分表示に基づくと、モンスターエナジー(オリジナル、355ml)1本あたりには約45gの糖質が含まれている計算になります。これは、角砂糖(1個約4g)に換算すると11個以上に相当し、世界保健機関(WHO)が推奨する1日の遊離糖類(加工食品や飲料に加えられる糖類)の摂取目標量である総エネルギー摂取量の5%未満(平均的な成人で約25g)を、1本だけで大幅に超えてしまうことになります。
このように、単にカロリーが高いだけでなく、血糖値を急上昇させて脂肪を蓄積しやすくする糖質が多く含まれている点が、モンスターエナジーが太る主な原因として考えられます。

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種類別のカロリー・糖質を一覧で紹介


モンスターエナジーは、消費者の多様なニーズに応えるために、様々なフレーバーやシリーズを展開しています。そのため、種類によってカロリーや糖質量は大きく異なります。ダイエット中の方や健康を気遣う方は、購入前に栄養成分表示を確認し、目的に合った製品を選ぶことが非常に大切です。
ここでは、日本国内で販売されている主要なモンスターエナジーについて、100mlあたりと1本(355ml)あたりのカロリー・糖質量の目安を以下の表にまとめました。
種類 | カロリー (100mlあたり) | 糖質 (100mlあたり) | カロリー (1本355mlあたり) | 糖質 (1本355mlあたり) |
モンスター ウルトラシリーズ | 0 kcal | 0 g | 0 kcal | 0 g |
モンスターエナジー ゼロシュガー | 0 kcal | 0 g | 0 kcal | 0 g |
モンスター スーパーコーラ | 19 kcal | 4.6 g | 約67 kcal | 約16.3 g |
モンスター パイプラインパンチ | 46 kcal | 11.3 g | 約163 kcal | 約40.1 g |
モンスターエナジー (オリジナル) | 50 kcal | 13 g | 177.5 kcal | 約46.1 g |
※数値は公式サイトの情報を基にした目安であり、製品のリニューアル等により変動する可能性があります。
この表を見れば明らかなように、「モンスター ウルトラシリーズ」(白、緑、紫、ピンクなど)や「モンスターエナジー ゼロシュガー」(青)は、カロリーと糖質がゼロに設計されており、体重管理中の方にとっては最適な選択肢と言えます。
一方で、フルーティーな味わいが人気の「モンスター パイプラインパンチ」や、定番の「モンスターエナジー」は、しっかりとしたエネルギー補給ができる分、カロリーも糖質も高めに設定されています。
その日の気分や活動量、健康への配慮など、ご自身の状況に合わせて最適な一本を選ぶ際の参考にしてください。



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砂糖の量は?


モンスターエナジーに含まれる砂糖の量は、種類によって大きく異なりますが、特に代表的な「モンスターエナジー(オリジナル)」には注意が必要です。この355ml缶1本あたりには、公式サイトの情報によると約46gの糖質が含まれています。これをより身近なもので例えるならば、喫茶店などで見かける3gのスティックシュガー約15本分に相当する量であり、決して少なくないことがお分かりいただけるかと思います。
この約46gという数値は、世界保健機関(WHO)が推奨している1日の糖類摂取目標量と比較すると、その多さが一層際立ちます。WHOは、健康な成人の場合、食事以外から摂取する糖類を1日あたり約25g未満に抑えることを推奨しています。つまり、モンスターエナジーを1本飲むだけで、1日分の推奨量を大幅に超えてしまう計算になるのです。このような糖質の過剰摂取は、体重増加の直接的な原因となるだけでなく、長期的な健康への影響も懸念されます。
もちろん、モンスターエナジーのすべての製品がこれほど多くの糖質を含んでいるわけではありません。ダイエットや健康を意識する方向けに、糖質を大幅に抑えた、あるいはゼロにした製品も多数販売されています。主要な製品の糖質量を比較してみましょう。
製品名 | 1本(355ml)あたりの糖質量(目安) |
モンスターエナジー(オリジナル) | 約46.1 g |
モンスター パイプラインパンチ | 約40.1 g |
モンスター スーパーコーラ | 約16.3 g |
モンスターエナジー ゼロシュガー | 0 g |
このように、製品を選ぶだけで糖質の摂取量を大きくコントロールすることが可能です。
さらに、他の食品と比べてみると、その糖質の多さをより実感できます。例えば、一般的なショートケーキ1個あたりの糖質が約40g、あんパン1個で約50gと言われています。つまり、モンスターエナジー1本を飲むことは、デザートを一つ食べることに近い糖質量を摂取するということになります。
これらのことから、モンスターエナジー、特に糖質が多く含まれる種類を飲む際には、その砂糖の量を十分に認識しておくことが大切です。エネルギー補給というメリットはありますが、日常的に飲む場合は、ゼロシュガーの製品を選んだり、飲む頻度を調整したりするなど、賢い付き合い方が求められます。
他の飲み物とのカロリー比較


モンスターエナジーが他の一般的な飲料と比較して、どの程度のカロリーや糖質を持っているのかを把握することは、賢い選択をする上で役立ちます。ここでは、様々なジャンルの飲料と「モンスターエナジー(オリジナル、355ml)」の栄養成分を比較してみましょう。
商品名(例) | 内容量 (ml) | カロリー (kcal) | 糖質 (g) |
モンスターエナジー | 355 | 約178 | 約46 |
レッドブル | 250 | 約115 | 約27 |
ZONe Ver.3.0.0 | 500 | 約265 | 約66 |
コカ・コーラ | 500 | 約225 | 約56.5 |
ポカリスエット | 500 | 約125 | 約31 |
オレンジジュース(100%) | 500 | 約210 | 約48 |
カフェラテ(微糖) | 500 | 約150 | 約25 |
※各製品の一般的な栄養成分表示を基にした目安です。
この比較表から、モンスターエナジーは他のエナジードリンクと比較しても、単位量あたりのカロリーや糖質は同程度か、やや多めであることがわかります。特に、日常的に飲まれがちなスポーツドリンクやカフェラテと比較すると、その糖質の多さが際立ちます。
例えば、モンスターエナジー1本分の糖質(約46g)は、500mlのオレンジジュースに匹敵し、ポカリスエットの約1.5倍にもなります。
これらの飲料はいずれも、時折楽しむ分には問題ありません。しかし、日常的な水分補給としてモンスターエナジーのような糖質を多く含む飲料を選んでしまうと、知らず知らずのうちに大量のカロリーと糖質を摂取し、肥満やそれに伴う生活習慣病のリスクを高めることにつながりかねません。
モンスターゼロシュガーでも太る可能性は?


カロリーと糖質がゼロである「モンスターエナジー ゼロシュガー」や「ウルトラシリーズ」は、直接的なカロリー摂取にはつながらないため、体重増加のリスクを大幅に軽減してくれます。しかし、「ゼロカロリーだから絶対に太らない」と断言できるわけではなく、間接的に体重増加を招く可能性がいくつかの側面から指摘されています。
人工甘味料の潜在的な影響
ゼロカロリーでありながら強い甘味を提供するために、これらの製品には「スクラロース」や「アセスルファムK」といった人工甘味料が使用されています。これらの成分は日本の厚生労働省をはじめ、多くの国で安全性が認められていますが、長期的な摂取が体に与える影響については、現在も研究が続けられています。一部の研究では、以下のような可能性が示唆されています。
- 食欲や味覚への影響: カロリーがないにもかかわらず強い甘味の刺激を受け続けることで、脳が「甘味=カロリー」という本来の結びつきを混乱させ、結果としてより強い甘味やより多くのカロリーを求めるようになる、という説があります。これが食欲増進につながる可能性が考えられます。
- 腸内環境の変化: 近年の研究では、一部の人工甘味料が腸内に生息する細菌(腸内フローラ)のバランスに影響を与える可能性が報告されています。腸内環境は、消化吸収や代謝、さらには食欲のコントロールにも関わっているため、そのバランスの変化が体重に影響を及ぼす可能性も否定できません。
「補償行動」という心理的な落とし穴
「ゼロカロリーだから大丈夫」という安心感は、時に「補償行動(コンペンセーション)」と呼ばれる心理的な油断を生むことがあります。これは、「飲み物でカロリーを抑えた分、食事や間食で少し多めに食べても大丈夫だろう」と考えてしまう心理状態のことです。
例えば、ゼロシュガーのモンスターエナジーを選んだことで、無意識のうちにポテトチップスを一袋多く食べてしまったり、デザートを追加してしまったりすれば、結果的に総摂取カロリーは増加し、体重増加につながります。
前述の通り、ゼロシュガー製品自体が直接の太る原因になるわけではありません。しかし、人工甘味料が体に与えるかもしれない間接的な影響や、ゼロカロリーという言葉がもたらす心理的な油断を理解し、製品と賢く付き合っていく姿勢が大切です。



ゼロやからって油断したらアカンっちゅうことか〜。なるほど、勉強になるわ。要はバランスが大事で、賢く付き合っていけばええんやな!
飲み過ぎると体に悪い?デメリットを解説
モンスターエナジーは、適量を守って飲めば、集中力を高めたり気分をリフレッシュさせたりする助けになります。しかし、日常的に過剰摂取を続けると、体重増加のリスクだけでなく、身体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。その主な原因は、カフェインと糖質(通常版の場合)の摂りすぎです。
カフェインの過剰摂取がもたらすリスク
モンスターエナジー1本(355ml)には、公式サイトの情報によると約142mgのカフェインが含まれています。これはドリップコーヒー約2杯分に相当する量です。各国の保健機関は、健康な成人における1日あたりのカフェイン摂取量の上限を設けています。
機関名 | 推奨される1日あたりの最大摂取量 |
カナダ保健省 (HC) | 400 mg |
欧州食品安全機関 (EFSA) | 400 mg |
日本の食品安全委員会 | 個人差が大きいため設定せず |
日本の食品安全委員会は具体的な数値を設定していませんが、海外の基準を参考にすると、モンスターエナジーを1日に3本飲むと、推奨される上限を超えてしまう計算になります。カフェインを過剰に摂取した場合、以下のような健康被害が報告されています。
- 急性中毒症状: 中枢神経系が過剰に刺激され、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症といった症状が現れます。消化器系への刺激により、吐き気や下痢を引き起こすこともあります。
- 精神的な依存と離脱症状: 毎日飲み続けることでカフェインへの耐性がつき、同じ効果を得るためにより多くの量が必要になることがあります。この状態で摂取を急にやめると、頭痛、疲労感、イライラ、集中力の低下などの離脱症状に悩まされる可能性があります。
糖質の過剰摂取による長期的リスク(通常版)
糖質を含むタイプのモンスターエナジーを常飲すると、血糖値の急上昇と急降下が頻繁に繰り返されます。これは血管に大きな負担をかける行為であり、長期的には動脈硬化のリスクを高める可能性があります。また、インスリンを分泌する膵臓が疲弊し、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こし、2型糖尿病の発症リスクを高めることが懸念されています。
歯への影響(酸蝕歯)
モンスターエナジーは、糖質の有無にかかわらず、クエン酸などが添加されているためpH値が低い酸性の飲料です。酸性の液体に歯が長時間さらされると、歯の表面を覆う硬いエナメル質が溶け出してしまう「酸蝕歯(さんしょくし)」になるリスクがあります。酸蝕歯が進行すると、歯がしみやすくなったり、歯の先端が透けて見えたり、虫歯になりやすくなったりします。
これらのデメリットを避けるためにも、モンスターエナジーはあくまで特別な時に飲む嗜好品と位置づけ、1日の摂取量を厳守し、日常的な水分補給の代わりにするのは絶対に避けるべきです。



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モンスターエナジーで太るのを防ぐ飲み方


- 太る飲み方・太りにくい飲み方の違い
- 夜寝る前に飲むと太る?何時までが安全?
- ダイエット中に飲むのはあり?なし?
- 飲むと痩せたという噂は本当か解説
- まとめ:モンスターエナジーは太るのか
太る飲み方・太りにくい飲み方の違い
同じモンスターエナジーを飲むにしても、その飲み方次第で体重への影響は大きく異なります。太るリスクを最小限に抑え、賢く付き合っていくためには、「何を」「どれだけ」「いつ」飲むかという3つのポイントを意識することが鍵となります。
太りやすい飲み方
無意識のうちに続けている習慣が、体重増加の原因になっているかもしれません。以下のような飲み方は、特に注意が必要です。
- 種類の選択を誤る: カロリーや糖質を気にせず、その日の気分でオリジナル(緑)やジュースモンスター(果汁入り)など、糖質が多く含まれる種類を日常的に選ぶ習慣は、最も直接的にカロリーオーバーにつながります。
- 量を決めずに飲む: 「1日に1本まで」といった明確なルールがなく、仕事中や運転中に手元にあるからと2本、3本と飲んでしまうと、1日の摂取カロリーやカフェインの許容量を簡単に超えてしまいます。
- 飲むタイミングを考えない: これから活動量が減る夜間や、特にエネルギーを必要としないリラックスタイムに飲むのは非効率的です。摂取したエネルギーが消費されず、そのまま脂肪として蓄積されやすくなります。
- 食事の代わりにする: 食事を抜いてモンスターエナジーだけで済ませてしまうと、必要な栄養素が摂れないだけでなく、急激な血糖値の上昇と下降を引き起こします。これにより、次の食事で強い空腹感に襲われ、かえってドカ食いを招く可能性があります。
太りにくい飲み方
一方で、以下のポイントを実践することで、モンスターエナジーを楽しみながらも太りにくい習慣を身につけることができます。
- ゼロカロリー・ゼロシュガーを基本にする: 体重管理において最もシンプルかつ効果的な方法です。「ウルトラシリーズ」や「ゼロシュガー」を基本の選択肢とすることで、カロリーと糖質の心配から解放されます。
- 1日の上限量を厳守する: カフェインの摂取量を考慮し、どんなに多くても「1日1本まで」と自分の中でルールを設けましょう。コーヒーや緑茶など、他のカフェイン含有飲料を飲む日は、その分も考慮して調整することが望ましいです。
- 活動前の「スイッチ」として飲む: 最も価値のある飲み方は、これから体を動かす、あるいは頭を使うという活動の直前です。特に運動の20分~30分前に飲むと、カフェインの血中濃度がピークに達するタイミングと活動開始が重なり、パフォーマンス向上やエネルギー消費の促進に繋がります。
- 飲む目的を明確にする: 「長距離運転の眠気覚ましに」「プレゼン前の集中力アップに」といったように、飲む目的をはっきりさせることで、何となく惰性で飲む「ながら飲み」を防ぎ、無駄な摂取を減らすことができます。
これらの太りにくい飲み方を意識するだけで、モンスターエナジーは体重増加の原因ではなく、日々の活動をサポートする心強い味方となり得ます。



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夜寝る前に飲むと太る?何時までが安全?


結論から申し上げると、夜、特に就寝前にモンスターエナジーを飲むことは、「体重増加のリスク」と「睡眠の質の低下」という二つの大きなデメリットがあるため、絶対に避けるべき習慣です。
夜に飲むことが体重増加に直結する理由
私たちの体には、体内時計を調整する遺伝子の一つとして「BMAL1(ビーマルワン)」というたんぱく質が存在します。このBMAL1には、脂肪細胞に脂肪を溜め込む働きを活性化させる作用があり、その活動量は時間帯によって大きく変動します。
BMAL1の活動が最も低下するのは午後2時~3時頃で、この時間帯は「食べても太りにくい時間」と言われます。一方で、活動のピークを迎えるのが夜の10時から深夜2時にかけてです。この時間帯に糖質を多く含むモンスターエナジー(通常版)を飲むと、BMAL1の働きによって摂取した糖が効率よく脂肪として蓄積されてしまい、非常に太りやすくなります。ゼロシュガータイプであっても、後述する睡眠への悪影響から、間接的に太るリスクを高めることになります。
睡眠の質を著しく低下させるカフェイン
モンスターエナジーの主成分であるカフェインは、脳内で眠気を誘発するアデノシンという物質の働きをブロックすることで、強力な覚醒作用をもたらします。このカフェインの効果の持続時間には個人差がありますが、一般的に摂取してから血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)は、健康な成人で3~4時間程度とされています。
つまり、就寝前に飲むと、いざ眠ろうとしても脳が興奮状態でなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めてしまったりと、睡眠の質が著しく低下します。
質の悪い睡眠は、食欲をコントロールするホルモンのバランスを崩すことが科学的に証明されています。具体的には、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増加し、食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌が減少します。その結果、日中に強い空腹感を感じやすくなったり、満腹感を得にくくなったりして、過食につながりやすくなるのです。
安全に飲むための時間的リミット
これらの理由から、モンスターエナジーを飲むのであれば、その影響が睡眠に及ばない時間帯を選ぶことが不可欠です。カフェインの効果が完全になくなるまでにはさらに時間がかかることを考慮すると、最低でも就寝時刻の「6時間前」までには飲み終えるのが安全な目安と言えるでしょう。例えば、夜24時に就寝する習慣の方であれば、18時以降はモンスターエナジーを飲まない、というルールを設けることを強く推奨します。
ダイエット中に飲むのはあり?なし?


ダイエット中にモンスターエナジーを飲むことの是非は、単純に「あり」か「なし」かで割り切れるものではありません。その答えは、個人のダイエット計画、飲む目的、そして何より「どの種類を選ぶか」という選択によって大きく変わってきます。
「条件付きであり」と考えられるケース
モンスターエナジーを戦略的に利用することで、ダイエットの味方にすることも可能です。
- ゼロカロリー製品をストレス緩和に活用する: ダイエット中は食事制限によって甘いものへの欲求が高まりがちです。完全に我慢し続けるとストレスが溜まり、いずれ反動で過食してしまうリスクがあります。そのような時に、「ウルトラシリーズ」などのゼロカロリー・ゼロシュガーの製品を飲めば、カロリーを摂取することなく甘い味わいで心を満たし、気分転換を図ることができます。
- 運動のパフォーマンス向上を目的とする: ダイエット成功の鍵は、食事管理と並行して運動による消費カロリーを増やすことです。運動の20~30分前にモンスターエナジーを飲むと、カフェインの作用で集中力が増し、疲労を感じにくくなるため、いつもより質の高いトレーニングが可能になります。結果として消費カロリーが増え、ダイエットの効率を高める効果が期待できます。
「基本的にはなし」と考えられるケース
一方で、以下のような飲み方はダイエットの妨げになるため避けるべきです。
- 糖質を含む種類を飲む: 言うまでもなく、ダイエットの基本は摂取カロリーを消費カロリー以下に抑えることです。オリジナルやジュースモンスターなど、1本で150kcal以上ある高カロリーな製品を飲むことは、ダイエットの努力を無にしかねません。
- 日常的な水分補給として利用する: モンスターエナジーはあくまで嗜好品であり、水やお茶の代わりとして飲むべきものではありません。特にカフェインには利尿作用があるため、水分補給のつもりで飲むと、かえって体内の水分が失われ、代謝の低下を招く可能性もあります。
- 精神的な依存がある場合: 「モンスターエナジーを飲まないとやる気が出ない」という状態は、カフェインへの精神的な依存が考えられます。健康的なダイエットは、特定の食品や飲料に頼ることなく、心身ともにバランスの取れた状態を目指すことが大切です。
要するに、モンスターエナジーを無計画に飲むのは「なし」ですが、その特性を正しく理解し、ゼロカロリー製品を「運動前のブースター」や「ダイエット中の息抜き」として計画的に取り入れるのであれば、「あり」と言えるでしょう。
飲むと痩せたという噂は本当か解説
「モンスターエナジーを飲むようになったら痩せた」という話がインターネット上などで見受けられますが、これはモンスターエナジー自体に直接的な痩身効果があるわけではない、と理解することが重要です。このような噂が生まれる背景には、製品に含まれる成分の副次的な効果や、いくつかの誤解が関係していると考えられます。
カフェインによる間接的な効果
痩せたという体験談の最も大きな要因として考えられるのが、カフェインの持つ生理作用です。
- 代謝の一時的な促進: カフェインには交感神経を活性化させる働きがあり、それによって体温が上昇し、基礎代謝が一時的に数パーセント向上することが研究で示されています。また、脂肪組織に働きかけて脂肪の分解を促す効果も報告されています。しかし、これらの効果は限定的かつ一時的なものであり、モンスターエナジーを飲むだけで継続的に体重が減少するほどの強力な作用はありません。
- 運動パフォーマンスの向上: これが最も現実的な「痩せた」理由でしょう。前述の通り、運動前にカフェインを摂取すると、集中力や持久力が向上し、疲労を感じにくくなります。その結果、普段よりも運動強度を上げられたり、運動時間を延ばせたりすることが可能になります。つまり、痩せた直接の原因は「運動量の増加による消費カロリーの増大」であり、モンスターエナジーはそのきっかけを作ったに過ぎないのです。
「ピンクは痩せる」という噂の真相
この噂には、製品ラインナップに関する興味深い誤解が隠されています。現在、モンスターエナジーにはピンク色のパッケージの製品が主に2種類流通しています。
製品名 | パッケージの色 | カロリー・糖質 |
モンスター パイプラインパンチ | 濃いピンク | あり |
モンスター ウルトラピーチーキーン | 薄いピンク | ゼロ |
おそらく、「ゼロカロリーで太らないのは、薄いピンクのウルトラピーチーキーンだ」という事実が広まる過程で情報が歪曲し、「ピンクのモンスターは痩せる」という単純化された噂として定着してしまった可能性が考えられます。
結論として、モンスターエナジーはダイエット薬ではありません。あくまでエネルギー補給やパフォーマンス向上をサポートする飲料であり、飲むだけで痩せるという魔法のような効果は期待できません。健康的に痩せるためには、バランスの取れた食事と、継続的な運動という王道を歩むことが最も確実な方法です。



飲むだけで痩せるなんて、そんなウマい話はないわな!でも運動のきっかけになるんやったら、それはそれでめっちゃええやんか。結局は自分次第ってことやな!
まとめ:モンスターエナジーは太るのか
この記事で解説してきた「モンスターエナジーと体重増加」に関する重要なポイントを、以下に箇条書きでまとめます。
- 糖質を多く含む種類のモンスターエナジーは太る原因になり得る
- 太る主な原因は糖質の過剰摂取による血糖値の急上昇
- ゼロシュガーやウルトラシリーズはカロリーと糖質がゼロ
- ゼロカロリーでも人工甘味料が間接的に太る可能性も指摘されている
- オリジナル(355ml)はスティックシュガー約15本分の糖質を含む
- 他の清涼飲料水と比較してもカロリーや糖質は低くない
- 飲み過ぎはカフェイン中毒や糖尿病のリスクを高める可能性がある
- 歯のエナメル質を溶かす酸蝕歯のリスクにも注意が必要
- 太りにくい飲み方はゼロカロリー製品を1日1本までと決めること
- 運動の20~30分前に飲むのが最も効果的なタイミング
- 夜、特に就寝6時間以内に飲むのは避けるべき
- 夜間の摂取は脂肪蓄積と睡眠の質の低下を招く
- ダイエット中でもゼロカロリー製品を計画的に利用するのは可能
- モンスターエナジーを飲むだけで痩せるという直接的な効果はない
- 「痩せた」という話はカフェインによる間接的な効果の可能性が高い