ラクトアイスは太る？他のアイスとのカロリー比較とダイエット中の賢い食べ方！

「ラクトアイスはアイスクリームよりも太る」という話を聞いたことはありませんか？

暑い日や食後のデザートに、手頃な価格で楽しめるラクトアイスは魅力的ですが、その一方でラクトアイスは太るというイメージから、食べるのをためらっている方もいるかもしれません。

そもそも太る原因は何なのか、実際のカロリーや糖質はどのくらいで、他のおやつとのカロリー比較ではどうなのか、気になりますよね。

この記事では、太るアイスランキングや、ラクトアイスのカロリーを消費するための運動量の目安についても解説します。

また、食べ過ぎると体に悪いのか、夜寝る前に食べると太るのか、何時までなら良いのか、といった疑問にもお答えします。

さらに、太る食べ方と太りにくい食べ方の違いや、どうしても止まらなくなる対処法、そしてダイエット中のおすすめアイス3選まで、ラクトアイスがダイエット向きかどうかを総合的に判断するための情報を網羅しています。

ラクトアイスは太る？その理由を徹底解説

植物油脂がラクトアイスの太る原因？

ラクトアイスが太りやすいと言われる大きな理由の一つに、原材料に含まれる「植物油脂」の存在が考えられます。アイスクリーム類は、法律（乳及び乳製品の成分規格等に関する省令）によって乳固形分と乳脂肪分の含有率で厳密に分類されていますが、ラクトアイスはこのうち乳脂肪分の規定がありません。乳固形分が3.0%以上あればラクトアイスと表示できます。

乳脂肪分は、アイスクリームの濃厚なコクや風味、なめらかな口当たりを生み出す重要な要素です。しかし、乳脂肪分は比較的高価な原料でもあります。そこで、乳脂肪分が少ないラクトアイスでは、その風味やコクを補い、口当たりを良くするために、安価な「植物油脂」が添加されることが多くあります。

植物由来と聞くとヘルシーな印象を持つかもしれませんが、油脂であることに変わりはなく、脂質として高いカロリーを持っています。このため、乳脂肪が少ないにもかかわらず、植物油脂を添加することで、結果的に製品全体の脂質量とカロリーが増加し、「乳脂肪分がたっぷり入ったアイスクリームよりも高カロリー」という逆転現象が起こることがあるのです。

植物油脂に含まれるトランス脂肪酸について

植物油脂について語る際、トランス脂肪酸の健康への影響を懸念する声も聞かれます。トランス脂肪酸は、油脂を加工・精製する過程で生成されることがある脂質の一種で、過剰摂取は心疾患のリスクを高める可能性があると指摘されています。

ただし、日本の食品メーカーは技術開発を進め、製品に含まれるトランス脂肪酸の低減に努めています。また、内閣府の食品安全委員会の評価によると、日本人の大多数はWHO（世界保健機関）が推奨する摂取目標量（総エネルギー摂取量の1%未満）を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられています。

したがって、ラクトアイスに含まれる植物油脂を過度に恐れる必要はないかもしれませんが、脂質である以上、カロリーが高いという事実は変わりません。ラクトアイスを選ぶ際には、その背景にある植物油脂の存在と、それがカロリーに与える影響を理解しておくことが大切です。

ラクトアイスのカロリー・糖質を解説

ラクトアイスが太りやすいかどうかを判断する上で、具体的なカロリーや糖質、脂質の量を知ることは欠かせません。ここでは、アイスクリーム類の種類別に、一般的な栄養成分の目安を比較してみましょう。

市販のアイスは、主に「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」の4種類に分けられます。これらの違いは乳成分の量にあり、その違いがカロリーや脂質量に大きく影響します。

以下の表は、文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」のデータを基に、各種類100gあたりの栄養価の目安をまとめたものです。

※上記はあくまで標準的な成分値の目安であり、個別の商品によって数値は大きく異なります。

この表から分かるように、意外にも最もカロリーと脂質が高いのは「ラクトアイス」という結果になっています。前述の通り、これは乳脂肪分の代わりに植物油脂を多く使用しているためです。さっぱりとした口当たりからは想像しにくいかもしれませんが、数値上は最もエネルギーが高い種類に分類されることがあるのです。

一方で、「氷菓」は脂質が極めて少なく、その分カロリーも低くなっています。ただし、炭水化物（糖質）の割合は他に比べて高くなる傾向があるため、糖質を気にしている場合は注意が必要です。

このように、アイスを選ぶ際には「アイスクリームだから高カロリー」「ラクトアイスはさっぱりしているから低カロリー」といったイメージだけで判断するのではなく、パッケージに記載されている「種類別」の表示と栄養成分表示をしっかりと確認する習慣が、賢い選択につながります。

他のおやつとのカロリー比較で見る実力

ラクトアイスのカロリーが他のアイスの種類に比べて高い傾向にあることは分かりましたが、他のお菓子やスイーツと比較した場合はどうでしょうか。ダイエット中やカロリーを気にしている時、どのような選択が賢明かを考えるために、一般的なおやつのカロリーと比較してみましょう。

以下に、ラクトアイス（市販のカップタイプ200mlを想定）と、代表的なおやつの1食あたりの目安カロリーをまとめました。

※上記カロリーはあくまで目安であり、製品や店舗によって異なります。

このように比較すると、ラクトアイスのカップ1個分のカロリーは、ショートケーキやどら焼きといった定番のスイーツよりも高く、ポテトチップス一袋に匹敵する場合があることがわかります。特に大容量のカップアイスは、軽い口当たりで食べやすいため、無意識のうちに高カロリーを摂取してしまう危険性をはらんでいます。

もちろん、おやつの価値はカロリーだけで決まるものではありません。例えば、同じカロリーでも脂質が多いもの、糖質が多いものなど、栄養素の構成は異なります。ポテトチップスは脂質と塩分が多く、和菓子は脂質が少ない代わりに糖質が多い傾向にあります。

ラクトアイスは脂質と糖質の両方を多く含むため、エネルギーになりやすい反面、過剰摂取は体脂肪として蓄積されやすい特性を持っています。他のおやつを選ぶ際と同様に、ラクトアイスを食べる際にも、そのカロリーと栄養バランスを意識し、1日の総摂取カロリーの中で調整することが求められます。

要注意！太るアイスランキングを発表

ダイエット中や健康を意識している時に、できるだけ太りにくいアイスを選びたいと思うのは自然なことです。ここでは、これまで解説してきた内容を踏まえ、太りやすいと考えられるアイスの種類をランキング形式で整理します。商品そのものではなく、「種類別」の特徴に着目したランキングです。

第1位：ラクトアイス

意外に思われるかもしれませんが、最も注意が必要なのは「ラクトアイス」です。その理由は、前述の通り、少ない乳固形分を補うために植物油脂が多く使われ、結果として脂質量とカロリーが最も高くなる傾向があるためです。

また、ファミリーパックや大容量カップなど、手頃な価格で量が多い商品もラクトアイスに多く見られます。さっぱりとした口当たりで食べやすいため、つい食べ過ぎてしまい、気づかぬうちにカロリーオーバーを招きやすいという点も、1位とした大きな理由です。

第2位：アイスクリーム

乳固形分・乳脂肪分が最も多く、濃厚でリッチな味わいの「アイスクリーム」が2位です。脂質と糖質をしっかり含んでいるため、カロリー自体は決して低くありません。特に、ナッツやチョコレート、クッキーなどがふんだんに入ったフレーバーは、さらにカロリーが高くなります。

ただし、価格が比較的高価で、内容量も少なめの製品が多い傾向にあります。また、濃厚な味わいから少量でも満足感を得やすいため、ラクトアイスのように「つい食べ過ぎてしまう」というリスクは低いかもしれません。質の良いものを少しだけ楽しむ、というスタイルに向いています。

第3位：アイスミルク

アイスクリームとラクトアイスの中間に位置するのが「アイスミルク」です。乳固形分・乳脂肪分はアイスクリームより少なく、ラクトアイスよりは多いというバランスの取れた規格です。

製品によっては植物油脂が使われることもありますが、一般的にはラクトアイスほど脂質が高くなることは少なく、カロリーも比較的抑えめな商品が見られます。ミルクの風味とさっぱり感の両方を楽しみたい場合に適した選択肢と言えるでしょう。

番外編：氷菓

ランキングからは外れますが、最も太りにくい選択肢と言えるのが「氷菓」です。シャーベットやかき氷、アイスキャンディーなどがこれに分類されます。乳固形分が3.0%未満、または全く含まれておらず、原材料は果汁や砂糖、液体が中心です。

脂質がほとんど含まれていないため、カロリーは4種類の中で圧倒的に低くなります。ダイエット中にどうしても冷たいものが食べたくなった時の、最も心強い味方となってくれるでしょう。ただし、糖質は含まれているため、食べ過ぎは禁物です。

食べ過ぎると体に悪い？健康への影響

ラクトアイスをはじめとするアイス類は、適量を楽しむ分には心のリフレッシュにもなる美味しい嗜好品ですが、食べ過ぎてしまうと体重増加以外にも、体に様々な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、アイスの過剰摂取がもたらす可能性のある健康上のデメリットについて解説します。

1. 胃腸への負担と機能低下

冷たいものを一度に大量に摂取すると、胃腸が急激に冷やされます。これにより、胃腸の血管が収縮し、血流が悪くなることで消化酵素の働きが鈍くなることがあります。その結果、消化不良や胃もたれ、腹痛、下痢といった症状を引き起こす原因となり得ます。特に、普段から胃腸が弱いと感じている方は注意が必要です。

2. 体の冷えによる代謝の低下

アイスの食べ過ぎは、内臓から体を冷やすことにつながります。体温が1℃下がると、基礎代謝は約13%も低下すると言われています。基礎代謝とは、生命維持のために最低限必要なエネルギーのことで、これが低下するとエネルギーを消費しにくい、つまり「痩せにくい体質」になってしまう可能性があります。冷えは血行不良も招き、肩こりやむくみなど、他の不調の原因にもなりかねません。

3. 虫歯のリスク

アイスには甘みを出すために多くの糖類が使用されています。糖類は、口の中にいる虫歯菌（ミュータンス菌など）の栄養源となります。菌は糖を分解して酸を作り出し、その酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が進行します。アイスを頻繁に、あるいはだらだらと食べ続ける習慣は、口内が酸性の状態にある時間を長くしてしまい、虫歯のリスクを高めることになります。

4. 栄養バランスの偏り

ラクトアイスや氷菓は、その成分のほとんどが脂質と糖質で構成されており、ビタミンやミネラル、たんぱく質といった体に必要な栄養素はあまり含まれていません。アイスでお腹がいっぱいになってしまい、本来摂るべき食事の量が減ってしまうと、栄養バランスが大きく崩れる恐れがあります。特に成長期の子どもや、栄養管理が大切な方にとっては注意すべき点です。アイスはあくまで食事を補うものではなく、嗜好品として捉えることが大切です。

これらの理由から、ラクトアイスを含むアイス類は、美味しさのあまりつい手が伸びてしまいますが、自分の体と相談しながら、適量を守って楽しむことが健康的な付き合い方と言えるでしょう。

ラクトアイスで太るのを防ぐ賢い食べ方

太る食べ方・太りにくい食べ方の違い

同じラクトアイスを食べるのでも、その食べ方一つで体に与える影響は大きく変わります。ここでは、体重増加につながりやすい「太る食べ方」と、それを回避するための「太りにくい食べ方」の具体的な違いについて解説します。少しの工夫で、罪悪感なくアイスを楽しむことが可能です。

太る食べ方の例

太りにくい食べ方の工夫

このように、食べるタイミングや量、意識の持ち方を変えるだけで、ラクトアイスとの付き合い方は大きく変わります。太りにくい食べ方を習慣にして、賢くアイスを楽しみましょう。

夜寝る前に食べると太る？何時までOK

「お風呂上がりのアイス」や「寝る前の甘いもの」は至福のひとときですが、ダイエットや健康を考えると、夜にアイスを食べるのは避けるべき、という話をよく耳にします。これは単なるイメージだけでなく、体のメカニズムに基づいた事実です。

私たちの体には、「BMAL1（ビーマルワン）」というたんぱく質が存在します。このBMAL1は、体内時計を調整する役割を持つと同時に、「脂肪の合成を促し、体内に溜め込む」という働きを持っています。そして、BMAL1の量は1日の中で変動しており、時間帯によってその量が大きく異なるのです。

一般的に、BMAL1の分泌量が最も少なくなるのは、午後2時から3時頃と言われています。この時間帯は、食べたものが最も脂肪になりにくい「おやつのゴールデンタイム」とも呼ばれます。

一方、BMAL1の分泌量は夜にかけて増加し始め、午後10時から深夜2時にかけてピークを迎えます。つまり、この時間帯に食事をすると、摂取したエネルギーが脂肪として非常に蓄積されやすくなってしまうのです。夜中のラーメンやアイスが太りやすいと言われるのは、このBMAL1の働きが大きく関係しています。

では、「何時までならOKなのか」という疑問ですが、一概に明確な時間を断定することは難しいものの、一般的には「就寝の3時間前まで」に食事や間食を終えるのが望ましいとされています。これは、就寝時に胃の中に食べ物が残っていると、消化活動のために睡眠の質が低下したり、消費されなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなったりするのを防ぐためです。

もし、どうしても夜にアイスを食べたくなった場合は、以下の点を心がけると良いでしょう。

夜のアイスが習慣化してしまうと、体重増加だけでなく、睡眠の質の低下や翌朝の胃もたれにもつながりかねません。食べる時間に配慮することが、健康的にアイスと付き合うための重要な鍵となります。

つい食べ過ぎる…止まらなくなる対処法

ラクトアイスは口当たりが軽いため、濃厚なアイスクリームに比べて「まだ食べられる」と感じやすく、ついスプーンが進んでしまうことがあります。一度食べ始めると止まらなくなる、という経験を持つ方も少なくないでしょう。ここでは、そんな「食べ過ぎ」を防ぐための具体的な対処法を、物理的な工夫と心理的なアプローチの両面からご紹介します。

物理的な工夫で食べ過ぎを断ち切る

心理的なアプローチで欲求をコントロールする

食べ過ぎてしまう背景には、単なる食欲だけでなく、習慣や心理状態が関係していることも少なくありません。物理的な工夫と合わせて、自分の心とも向き合ってみることで、より上手なコントロールが可能になります。

カロリーを消費するための運動量の目安

ラクトアイスを美味しくいただいた後、「今食べた分のカロリーは、どれくらい運動すれば消費できるのだろう？」と気になる方もいるでしょう。摂取したカロリーを運動で消費する意識を持つことは、体重管理において非常に有効です。

ここでは、一般的なラクトアイス1個分（約200kcalと仮定）のカロリーを消費するために必要とされる運動時間の目安を、いくつかの運動別に紹介します。自身のライフスタイルに合った運動を見つける参考にしてください。

以下の表は、体重60kgの人が200kcalを消費する場合の運動時間の目安です。消費カロリーは個人の体重、年齢、性別、筋肉量、そして運動強度によって変動するため、あくまで参考値としてご覧ください。

運動の種類	200kcalを消費するための運動時間の目安 (体重60kgの場合)
ウォーキング (普通の速さ)	約55～60分
ジョギング (やや速め)	約25～30分
水泳 (クロール、ゆっくり)	約20～25分
サイクリング (普通の速さ)	約40～45分
階段の上り下り	約25～30分
ヨガ	約70～80分
掃除 (拭き掃除など)	約50～55分

※国立健康・栄養研究所の「改訂版『身体活動のメッツ（METs）表』」などを参考に算出。

この表を見ると、200kcalを消費するためには、ウォーキングなら約1時間、ジョギングでも約30分と、決して短くはない時間が必要になることがわかります。アイス一個のカロリーを手軽に摂取できる一方で、それを消費するには相応の努力が求められるのです。

もちろん、「アイスを食べたら必ずこの運動をしなければならない」と考える必要はありません。しかし、こうした目安を知っておくことで、「今日はアイスを食べたから、一駅手前で降りて歩いてみよう」「エレベーターではなく階段を使おう」といったように、日常生活の中で運動量を増やす意識が芽生えやすくなります。

特別な運動時間を確保するのが難しい場合でも、家事を少し念入りに行ったり、通勤・通学の際に歩く時間を増やしたりするだけでも、カロリー消費には繋がります。摂取したカロリーを意識し、日々の活動量を少しずつ増やすことが、健康的な体型を維持するための賢い方法です。

ダイエット中におすすめのアイス3選

ダイエット中でも、どうしてもアイスが食べたくなる時はあります。そんな時に、我慢しすぎてストレスを溜めてしまうよりは、賢く商品を選んで上手に付き合う方が、ダイエットの継続につながります。ここでは、比較的罪悪感が少なく、ダイエット中でも楽しみやすいアイスの選び方と、その代表的な例を3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

1. とにかく低カロリー・低脂質！「氷菓」

ダイエット中の最も強力な味方は、やはり「氷菓」に分類されるアイスです。シャーベットやアイスキャンディー、かき氷などがこれにあたります。

2. 満足感とヘルシーさを両立！「低糖質・低カロリーアイス」

クリーミーなアイスが食べたいけれど、カロリーや糖質は抑えたい…というニーズに応えてくれるのが、健康志向のアイスです。各メーカーの技術革新により、美味しさとヘルシーさを両立した商品が増えています。

3. 量のコントロールが鍵！「小容量・個包装タイプ」

どんな種類のアイスでも、食べ過ぎなければ大幅なカロリーオーバーにはなりません。そこで有効なのが、初めから内容量が少ない、あるいは一つひとつが分かれているタイプを選ぶことです。

これらの選び方を参考に、自分の好みやその時の気分に合わせて、ダイエット中でも上手にアイスを取り入れてみてください。

【総まとめ】結局ラクトアイスは太る？ダイエット向きか解説

この記事では、ラクトアイスが太ると言われる理由から、太りにくい食べ方、ダイエット中の賢い選び方まで、様々な角度から解説してきました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。